医療保険ってどんな制度なの?

医療保険とはどういった保険なのか。
多くの方がこの保険について、何となくのイメージや知識は持っていると思うのですが、その中身まで詳しく説明できるという方はかなり限られるのではないでしょうか。
誰しもが、急なけがや病気にかかるリスクを抱えていますが、そんなときに経済的負担を緩和してくれる医療保険の中身について、今回は触れていきたいと思います。
医療保険についてあまり知らない方や説明に自信のない方は是非読んでみてください。
医療保険について
冒頭で少し触れましたが、医療保険は、病気やけがで通院または入院をすることになった際にかかる医療費の負担を軽減してくれる保険です。この保険は、相互扶助の精神のもと、保険加入者全員がお金を出し合い医療費負担が多い人の経済的負担を軽減するための仕組みと言えます。また医療保険には、「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2種類があり、それぞれで役割が異なります。さらに日本では、個人が生まれてから死亡するまでの間、誰もが公的医療保険に加入することを義務付けた、「国民皆保険制度」を採用しています。
国民皆保険制度とは?
国民皆保険制度とは、国民すべてが公的な保険に加入することを定めたもので、1961年以降から日本で適用されています。
この制度のおかげもあり、今では病気やけがをしても、誰もが安心して医療機関に行くことができるようになっています。また、病気やケガに対する医療費の給付だけでなく、出産をした際の出産給付や死亡した際の死亡給付、病気やケガで働けなくなった際の傷病手当金など様々な給付があります。
「民間の医療保険」と「公的医療保険」について
医療保険には、「民間の医療保険」と「公的医療保険」があります。両者を混同されている方も多いようですので、こちらでは詳しく違いについて触れていきます。
「民間の医療保険」
「民間の医療保険」とは、主に民間の生命保険会社などが取り扱っている保険商材のことを指します。これらは、後述する「公的医療保険」の内容の不足分をカバーするための保険と言えます。多くの保険会社の中から保険を選ぶことができる上に、加入意思も任意となっております。ただし、好きな保険へ自由に入れるわけではなく、保険加入にはご自身の健康状態を正確に告知することが必要になります。その際の健康状態によっては加入が認められなかったり、一部条件が付いたりすることがありますので、注意が必要です。また、保険料に関しても加入者の年齢や健康状態によっては高くなるケースもあります。
「公的医療保険」
公的医療保険では、さらに5つの保険に分類することができます。それが、「健康保険」「国民健康保険」「日雇健康保険」「共済組合」「後期高齢者医療制度」になります。
●「健康保険」
健康保険は、主に会社員などが勤務先企業を通して加入することができる保険になっています。例えば勤め先が大企業などの場合には、企業側が独自の「健康保険組合」を設立していることも多く、各健康保険組合が運営する組合けんぽには、その企業の従業員などが加入することができます。一方、中小企業で働く方の場合では、健康保険協会の運営する協会けんぽに加入することが一般的です。
●「国民健康保険」
国民健康保険は、主に自営業者などが市町村等の自治体を通じて加入することができる保険になっています。また、企業に勤めていた方が退職後に任意継続を希望しない場合には、国民健康保険に加入することに決まっています。
●「日雇健康保険」
限定された期間内で雇用される日雇い労働者である場合に加入することができる保険です。基本的には雇用期間が一ヶ月以内の労働者が「日雇い労働者」として認められますが、その他にも条件を満たせば日雇い労働者と認められることがあります。ただし、加入手続きはご自身で行わなければいけません。
●「共済組合」
公務員や私立学校職員の方が加入する保険で、そのうち公務員が加入する組合は「国家公務員共済組合」と「地方公務員等共済組合」の2つに分類されています。共済組合では、医療保険制度による医療費給付を「短期給付」と呼び、さらに保険料率が健康保険や国民健康保険等と比べて低めな点が特徴と言えます。
●「後期高齢者医療制度」
原則75歳以上の方が加入する決まりとなっている医療制度です。75歳になった時点で自動加入となるため、それまでに加入していた各種公的医療保険の脱退手続きなどは不要となります。基本的に自己負担は1割と決められていますが、若い世代と同等レベルの所得がある後期高齢者の場合には自己負担が3割になることもあります。
まとめ
上記のように、ひとくくりに「医療保険」といってもその中には大きく分けて「民間の医療保険」と「公的医療保険」の2つがあります。特に、「民間の医療保険」の加入に関しては、「公的医療保険」の内容を理解した上で加入することが求められますので、注意しましょう。