全国共済お役立ちコラム

介護保険を知り、「超高齢社会」と向き合おう!

2021-7-6

社会の高齢化を表す言葉に、「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」があります。
定義としては、人口に占めるご高齢者の割合が7%を超えると「高齢社会」と呼ばれます。
しかし、近年の日本はというとその割合が21%にもおよび「超高齢社会」を迎えています。
そんな日本に住んでいる多くの高齢者を支えていく為に「介護保険制度」は作られました。
今回のコラムでは、これからの日本にとって大きな役割を担ってくる「介護保険」の中身について解説して
いきます!

介護保険ってどんな制度?

2000年4月に作られた介護保険は、高齢者に万が一介護が必要になった状況でも、住み慣れた地域やご自宅で今まで通りの生活ができるよう、さらには介護をしているご家族の負担が軽減されるよう、社会全体で支え合う仕組みになっています。介護保険は、全国の市区町村が保険者となり、その地域の40歳以上の方が加入対象者となります。また、各種サービスを受ける際は、基本的には1割の自己負担ですが、前年度の所得によっては自己負担率が2割または3割になるケースがあります。

介護保険料の支払いはいつから始まるの?

介護保険料の支払いは、加入義務が課せられる「満40歳になってから」です。ただ、ここで注意しなくてはいけないのが厳密には40歳を迎える誕生日の前日からの適用であることです。
注意が必要な例として、例えば5月1日が誕生日の方の場合は、前日にあたる4月分から介護保険料徴収の対象となります。40歳~64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に保険料を支払います。また、65歳以上の被保険者の場合では、原則年金からの天引きにより市区町村が徴収を行います。

被保険者にも2つの種類がある

介護保険の加入者の中には第1号被保険者と第2号被保険者の2種類の被保険者に分けられます。前者は主に65歳以上の方、後者は主に40歳から64歳までの方になります。
保険料の支払い義務はどちらにも発生しますが、サービスの対象となるのは、原則として第1号被保険者だけです。第2号被保険者に関しては、老化に起因する疾病(特定16疾病)により特別な認定を受けた場合に限りサービスの対象となります

特定16疾病について
介護保険では40歳以上65歳未満の方で、以下の16種類の疾病により日常生活が困難になり介護や支援が必要になった場合、要介護認定を受けることができます。主には、3~6か月以上継続して、要介護または要支援状態となる割合が高いことが条件となっています。

(特定16疾病一覧)
・がん(医師が一般的に認められている医学的見地に基づき、回復の見込みが無い状態に至ったと判断したものに限る)
・関節リウマチ
・筋萎縮性側索硬化症
・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症
・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及びパーキンソン病
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・多系統萎縮症
・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・閉塞性動脈硬化症
・慢性閉塞性肺疾患
・両側の膝関節または膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症

要介護認定ってなに?

要介護認定とは、日常生活の中での介護の必要度合いを判断するための指標で、そのレベルは要支援1・2、要介護1~5、非該当(自立)のいずれかで判定がなされます。
要支援認定の方は、介護の必要性が低いという認定となっており、要介護認定の場合は、数字が高くなるほど、介護の必要性が高い状態との判定になっています
判定結果によって、利用可能なサービスが限定されることもあるため、重要な指標となります。

介護保険で利用できるサービスには何があるの?

利用可能なサービスは、大きく分けて「在宅サービス」「通所サービス」「入所サービス」
「地域密着型サービス」の4つになります。

「在宅サービス」
在宅生活を送る高齢者にとって、もっとも身近なサービスになります。入院・入所等の必要のない介護度の低い方が利用する場合や、終末期を自宅で迎えたいという方にも必要なサービスとなります。主には、訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与・購入などが挙げられます。

「通所サービス」
サービス事業所の送迎を利用し、自宅から通いながら利用できる介護サービスの事です。日中に日帰りで利用するサービスのため、高齢者の引きこもり予防やご家族の介護負担軽減などの役割を担っています。主には、デイサービス、デイケアなどが挙げられます。

「入所サービス」
短期間宿泊のための利用や、または入居も可能な介護サービスになります。基本的には介護度の高い方が利用するケースが多く、要支援の方は対象とならないサービスもあります。主には、ショートステイ、特定施設入居者生活介護、介護保険施設などが挙げられます。

「地域密着型サービス」
認知症の方や介護度の高い方が、住み慣れた地域で生活することを目的に作られたサービスです。対象となるサービス事業者は、利用する方が暮らす市町村に指定されたものに限られます。主には、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などが挙げられます。

まとめ

介護保険は、介護が必要な被保険者だけでなく、介護するご家族の事も支える為の制度です。さらには被保険者の自立を目指したり、被保険者が要介護状態にならないような予防的な役割も担っています。介護の負担は大きいものですので、決してひとりで抱え込まず、介護保険で利用できるサービスを活用していくことも大切と言えるでしょう。