全国共済お役立ちコラム

終身保険の貯蓄性は高いのか?終身保険の貯蓄性について!

2020-7-4

終身保険を検討する際に、終身保険の貯蓄性が気になる方もいるのではないでしょうか?終身保険は、保険料払込期間終了まで払い込みをすることで、解約返戻金が既払保険料を超えて差益が出る仕組みであるため、貯蓄性がある保険と言われています。生命保険を利用してお金の積み立てを行うと、契約期間内であれば生命保険の保障効果も得られる上に、解約した場合にも解約返戻金があるため、魅力的に感じる方もいるでしょう。しかし、終身保険を貯蓄として使うことに対して否定的な意見もあります。
そこで今回は、終身保険の貯蓄性について考えていきましょう!

銀行口座での貯金との違いは?

貯蓄といえば、銀行口座での貯金が代表的です。しかし、銀行口座での貯金と終身保険を使った貯金には、大きな違いがあります。
それは、保障の有無です。銀行口座などを利用する貯金の場合、お金が貯まるまでにはある程度の期間がかかりますが、生命保険の場合、お金が貯まるまでには同様に長い期間がかかるものの、保険期間内には大きな保障を得ることができます。万が一のことが起こった時や重い障害を負った時に、被保険者に家族がいる場合には、保険期間に関わらず適した保障を受けることができます。

また、終身保険の返戻率は利率に相当する部分になります。マイナス金利政策のもとでは、銀行に預金をしていても利息は殆どつかないので、定期預金よりも高い利率が期待できます。

終身保険で貯蓄するメリットとは?

終身保険で貯蓄するメリットに、運用は保険会社に任せることができるということがあります。難しい投資の知識は必要なく、決まった保険料を保険会社に振り込むだけで資産運用ができます。
さらに、生命保険会社が万が一破綻した場合にも、生命保険については保険会社が保険金等の支払いに備えて積み立てている責任準備金の90%まで保護される、契約が守られる仕組みがあります。その際、残りの10%については更生計画などにより決定されます。銀行の預金は元本1,000万円までと利息までしか預金保険制度によって保護されないので、リスク分散の観点からも一部を生命保険に移しておくことはメリットがあると言えるでしょう。

また、終身保険は自動引き落としで保険料が支払われるため、自動的に貯蓄ができます。したがって、貯蓄があまり続かないという方にはメリットとなります。

終身保険で貯蓄は間違いと言われるわけとは?

終身保険に限らず、保険で貯蓄することは誤った考え方という意見もあります。
その理由として、元本割れの期間が長く流動性に欠け、長い時間をかける割には差益が少ないことがあげられます
終身保険の場合、差益を得るためには保険料払込期間が終わるまでは保険を掛け続けなくてはいけません。保険料払込期間は一定の選択肢の中から選ぶことができますが、短くても10年は元本割れの状態となります。この期間の間に急にお金が必要になり、保険を解約せざるを得なくなった場合には、保険料の総額よりも解約返戻金の額の方が小さくなってしまいます。

また、終身保険は一部の商品を除いて契約時の予定利率で固定されていますが、経済状況の悪化により予定利率は引き下げられる可能性がありますし、超低金利下で予定利率を固定されると返戻率も相応に低くなります。

そして、利回りの観点では、保険による資産運用は通常の投資と銀行預金の間に位置します。終身保険は支払った保険料が保険本来の保障のために使われる部分があるので、すべてが返戻金のための資産運用に回るわけではありません。そのため、保障目的ではなく貯蓄目的で加入する場合、投資信託など他の金融商品の方が効率が良いと言えるのです

終身保険は貯蓄のための一つの選択肢として考えましょう!

終身保険は解約すると多くの解約返戻金が戻ってくる貯蓄性のある保険です。
しかし、貯蓄としてみると、通常の資産運用に比べると収益性では劣ることや保険料払込期間まで資金が拘束されるデメリットなどもあるため、高い利回りを狙いたい方や機動的に資産を運用していきたい方には向いていないと言えます

何のための貯蓄なのかを明確にしておくと、その目的を達成するための良い貯蓄方法が見つかります。そもそも終身保険の本来の目的は、死亡や高度障害になった場合に、家族の生活保障をすることです。したがって、すべての必要資金を終身保険だけで貯めようとはせず、貯蓄のための1つの選択肢として考えましょう!