全国共済お役立ちコラム

老後資金に2,000万円は本当に必要なのでしょうか?今一度考えてみましょう!

2020-2-6

老後資金に2,000万円というのが最近話題になっていました。
金融庁が発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容にあったことなのですが、世間的にも大きく取り上げられました。

そこで、今回は老後資金に2,000万というのが本当に意味する高齢社会における資産形成・管理について、今一度冷静に考えてみたいと思います。

まず事実の整理をしましょう!何事もそこから出発するのが大事です

まず事実をしっかりと整理してみましょう。2017年の平均寿命は男性で81.1歳、女性で87.3歳となっており、2017年の高齢夫婦無職世帯の毎月赤字額の平均は約5.5万円となっています。

さて、この事実から夫婦無職世帯の平均余命を20~30年とした場合の生涯赤字額は1,320万円~1,980万円となります

では、現状この赤字額に対して高齢者はどのように対処しているのでしょうか。貯蓄額と退職金の平均を見てみると、貯蓄額は約2,484万円、退職金は1,700万円~2,000万円程度となっています。

もちろん平均という性質上、一部の超高所得者がその値を引き上げてしまい、数値が一般的な実態と少し異なってしまうという問題点はあります。しかし、上記は収入と支出の両面において平均値を採用しているので、現状は、多くの高齢者が退職後の生活について、主に年金と退職金でやりくりできていると言って良いと思います

前述を踏まえてあらためて老後資金の必要性について考えてみましょう!

老後資金は確かに計算上、平均1,300万円~2,000万円不足することになります。ですが前述のとおり、その金額は平均貯蓄額よりも少なく、現状では多くの世帯がやりくりできていることになります。少なくとも「老後資金は2,000万円不足」といった何か特別なことをして、新たに2,000万円を作り出さなければならないような表現は誤解を招くかもしれません。

それでも、報告書から読み取るべきこともあります。あくまでも平均貯蓄額でやりくりできるのは現時点であり、将来も大丈夫かといわれるとまた別問題と言えます

将来、現状に比べて老後資金が不足すると言われる要因は主に3つある!

では、将来老後資金が不足すると言われているのはなぜなのか。その要因は主に3つあり、今後日本人の寿命は伸びると予想されること、退職金が減少傾向にあること、年金支給額が減少すると推測されることです

いずれも老後資金に大きな影響をおよぼします。どのような備えをすればいいのかというと、主に3つのことが記載されています。

まず、適切なライフプランを立てることです。

これからは、大学卒業し、社会人として働き始め、結婚・出産、住宅購入、定年まで一つの会社に勤め上げ、退職後は退職金と年金で収入をまかなうというような、標準的なライフプランが必ずしも当てはまらなくなるでしょう。自分がどのようなライフプランを想定するのか、そのライフプランに伴う収支や資産はどの程度になるかを「見える化」した上でしっかりと対応を考える必要があります。

次に「自助」の充実をはかることです。

想定したライフプランにおける自分が望む生活水準に対して、必要となる資産や収入が足りないと予想される場合は、状況に応じて、就労継続の模索、支出の再点検・削減、保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を図りましょう。

そして、資産寿命を延ばすことも大事なことです。

想定したライフプランにおいて、公的年金以外で対応しなければいけない金額がどの程度になるかを考えることが大事なポイントです。資産寿命についてはさらに次の3つのライフステージに応じた資産形成・管理を行ってみましょう。

資産寿命は現役期、リタイア期、高齢期にわけて整理していきましょう!

まず現役期についてです。早い時期からの資産形成の有効性を認識することはとても有利に働きます。生活資金やもしもの時に備えた資金に関しては、元本の保証されている預貯金などを確保しておくことがベースになります。また、それとは別に将来に向けて少額からでも長期・積立・分散投資によるリターンを期待しつつ、資産形成を行うと、なお良いでしょう。

次にリタイアの前後です。退職金がある場合、その利用用途をあらかじめ計画しておきましょう。退職金を踏まえたライフプラン再検討することがポイントです。そして、その先の人生をみすえた中長期的な資産運用の継続とその後の計画的な取崩しも実行していきましょう。

そして、高齢期です。あらためてマネープランを見直しましょう。医療費、老人ホーム入居費をはじめとしたこれまでかからなかった費用についても備えましょう。また、金融面での意思を明確にしておくことも非常に大事です。自分が行動できなくなったとしても、家族など他者のサポートにより、これまでと同様の金融サービスを利用しやすくしてきましょう。

老後資金2,000万問題をきっかけに自分のライフプランを今一度見直してみましょう!

今回は、老後資金2,000万円問題の事実に焦点をあてつつ資産形成について説明してきました。今後は老後への備えとして、ライフプラン・マネープラン、就労継続、支出削減、そして資産運用をあらためて考えていきましょう