全国共済お役立ちコラム

生活習慣病が関係する?脳卒中にならない為に

2022-12-2

脳卒中の予防で最も大切なことは「高血圧を防ぐ」ことです。そのためには塩分の摂り過ぎに注意します。野菜や果物に多く含まれるカリウムには塩分を体外に出す働きがあり、海草や豆類に含まれるマグネシウム、乳製品に多いカルシウムやタンパク質も脳卒中予防に効果がある、とされます。入浴はぬるめの湯。冬場は浴室だけでなく脱衣所も暖め、トイレの温度差にも気を配りましょう。高脂血症、糖尿病、心臓病(特に心房細動)などの人は脳卒中になりやすいというデータがあります。生活習慣では大量飲酒・喫煙・運動不足・肥満などが危険因子です。普段から健康状態や生活習慣をこまめにチェックして脳卒中の危険から自分自身を守りましょう。

脳卒中を予防するには

脳卒中を予防するためには、以下のような脳卒中の危険因子を回避するのが有効です。生活習慣病がある方はその治療を、喫煙習慣がある方は禁煙をしましょう。
脳卒中は、「突然起こる=防げない病気」ではありません。

❖脳卒中は血管の病気
脳卒中は正式な病名を脳血管障害と言い、脳で起こる血管の病気なのです。脳卒中の 1 つ 脳梗塞は脳の血管に血栓という血液のかたまりが詰まってしまって起きますし、もう 1 つ の脳出血は脳の血管が破れて起きる病気です。 脳卒中は脳の血管が詰まったり、破れたりして起きる病気です。つまり、詰まりやすい、 破れやすい血管、血栓が作られやすい状況が原因となります。高血圧では血管に負担がかかります。
血管の柔軟性が失われる動脈硬化は、血管が破れやすくなります。不整脈は心 臓で血栓が作られやすくなり、剥がれた血栓により血管が詰まりやすくなります。

脳卒中になりやすい人とは

脳卒中にもなりやすいとされる人がいます。どんな人がなりやすく、どんな対策ができるのでしょうか。
脳卒中はほとんどが何らかの病気を持っている人がかかります。まれに健康な人がかかることもありますが、原因となる病気の多くは生活習慣病なのです
脳卒中になりやすいと言われる人を挙げてみましょう。

|高血圧
血圧が、140/90mmHg以上を指している状態です。それ以下であっても、血圧が高めの方はリスクが高くなります。
高血圧によって、脳を含めた全身の血管の負担が大きくなります。負担が大きくなると、血管は弾力を失い脆くなり、狭窄をきたし、破れたり詰まったりしやすくなります。
食事では、特に塩分の摂取量に注意しましょう。
改善策:塩分のとり過ぎに注意して、運動を心がけましょう。薬物治療もあります。

|糖尿病
動脈硬化の原因の 1 つです。血液がドロッとしてしまうため、血管が詰まりやすくなることなどが原因です。
食生活の欧米化、摂取カロリーの増加などにより、糖尿病の方が増えています。食事を規則正しく、1日3回取り、食べ過ぎないように注意してください。
改善策:食事療法、運動療法、薬物療法で血糖値をコントロールします。

|脂質異常症
血中の中性脂肪やLDLコレステロールの値が高い、あるいはHDLコレステロールが低い状態のことを指します。
特に“悪玉コレステロール”と呼ばれるLDLコレステロールの値が高い方は、脂肪の摂取を減らす必要があります。豆類や芋類、海藻類、キノコ類、根菜類などは、コレステロール値を下げる効果があります。
改善策:コレステロール低下薬による治療が行えます。
|不整脈
不整脈は、早かったり遅かったり、規則正しくない脈の総称です。
不整脈によって心臓や血管に負担がかかり、血栓が生じ、それが脳へと移動して詰まってしまうことがあります。
改善策:抗凝固薬の使用により、血栓が生じるのを防ぐことができます。

|喫煙習慣
ニコチンには、血圧を上昇させたり、動脈硬化を進行させたりといった健康への悪影響があります。他の生活習慣病の原因にもなりますので、禁煙しましょう。

脳ドッグを受けましょう

脳卒中にならないために何ができるでしょうか。まずは、なりやすいとされる人は早めに
受診し、危険因子となる病気の治療や生活習慣の改善をしましょう。最近では脳ドッグと
言って発作に至らない小さな梗塞や血栓、まだ破れていない脳動脈瘤や症状が出ていない
脳血管病変を見つけることのできる検査もあります。脳ドッグで予兆を見つけても、
焦らずに専門医と相談しながら具体的な予防策を立てて、実際の脳卒中の予防に役立て
てください。

前触れの発作(一過性脳虚血発作)を見逃さないようにしましょう

脳卒中の症状が数分から一時間だけ現れて、その後何もなかったように治ってしまう、脳卒中の前触れ発作(警告発作)を一過性脳虚血発作と言います。
症状が一時的であるために見逃されてしまうことがありますが、数日から数週間の間に重い脳卒中を起こします。
一時的であっても、脳卒中の症状は軽く見ず、早急に受診しましょう。
脳卒中は早期発見と早期治療で、後遺症を軽く抑えられる可能性のある病気です。
また、日ごろからの注意で予防することも可能な病気です。

危険因子となる病気は治療し、良くない生活習慣は改善して健康な生活を心がけ、脳卒中の危険を減らしましょう。

まとめ

いかがでしたか。脳卒中は発病する前に予測して、発病を防ぐことができる病気です。
脳卒中を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙などが挙げられます。つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。脳ドックで早期発見し、普段の生活を見直せば、脳卒中は予防することができます。脳卒中にならない為にも塩分控えめの食生活を心掛け、また仕事を離れてリラックスできる趣味を持ち、適度な運動なども心がけましょう。