全国共済お役立ちコラム

脳卒中の概要とその後遺症についてどんなことが起こるのか学んでいきましょう

2019-11-5

脳卒中はあらゆる病気の中でも後遺症が残りやすい病気となっています。
発症後、後遺症が残ってしまうと生活の様々な面で苦労を抱えることになります。
今回は脳卒中の概要とその後遺症の予備知識を蓄えていきましょう。

そもそも脳卒中とは何なのか?どうして起こるのか?

脳卒中とは、血栓など何らかの理由で脳の血管が詰まることで血液が行き届かなくなり、脳の一部分の細胞が死んでしまう病気です。その6割は脳梗塞となっています。

ある調査では脳卒中による年間死亡者数13万人いると言われています。非常に多いですよね。また、介護が必要になる原因の第1位も脳卒中によるものとも言われています

脳梗塞にはいくつか種類があります。少し専門的かも知れませんが紹介していきます。大きく、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞の3種類に分けられます。

アテローム血栓性脳梗塞とは、頸動脈、頭蓋内動脈に、コレステロールの固まりができることで、頸動脈が閉塞して詰まる脳梗塞です。 心原性脳塞栓症とは、血栓が血流にのって脳血管で詰まることで発症する脳梗塞です。心房細動により心臓の血流によどみができると、血液が固まりやすくなり血栓が形成される場合があります。これが脳の血管で詰まってしまうのです。

ラクナ梗塞とは、脳の深い箇所にある非常に細かい血管が詰まってしまう脳梗塞です。発症後の自覚症状を感じにくく、発症に気づけない場合も多々あります。

ちなみにラクナとは空白という意味であり、断層撮影検査の画像を見てみるとあたかも空白のような影が見えることからこの名前がつきました。

脳卒中の発症と経過について。

前触れもなく起きるのが脳卒中の怖いところ 脳梗塞は何の前触れもなく、突然症状が現れる場合も多いので、非常に怖いです。脳梗塞や脳出血の総称である脳卒中の「卒中」には、急速に発生するという意味があります。

脳梗塞が発症した瞬間から脳の一部で血流が止まり、脳が死んでしまう状態が進んでいきます。

脳卒中を発症した場合は何よりも早急な治療が大事になってきます。その期間を急性期と呼びます。発症後4.5時間以内であれば血栓を溶かす血栓溶解療法というもので治療することが可能です。脳梗塞発症後、病状が安定するには3週間から1か月程度の期間を要することが一般的と言われています。

急性期の次のフェーズを慢性期と呼びます。慢性期ではリハビリと再発予防に向けた治療を主に実施します

脳卒中の後遺症とは実に様々で脳の箇所によって後遺症も決まる

脳卒中においての後遺症はそのダメージを受けた脳の部位や範囲によって様々です

例えば、それが運動神経に関わる部位であれば手足の麻痺が起きますし、それが言語を司る部位であれば言語障害が起こりやすくなります。 脳梗塞の主な後遺症としては痛みをはじめとして、痺れ、半身麻痺、言語障害、てんかん、うつ、認知症など様々です。

後遺症が残る確率はどれくらい?

残念ながら確率は高い 脳卒中を発症した場合、症状の軽重はあるものの60%の人には何らかの後遺症が残るとされています。半分以上ですから非常に多いですよね。

脳に障害を受けたあとに自覚できる症状が現れていなくとも、脳細胞にダメージが全く残らないことは残念ながらほぼあり得ません。脳には必要のない部位がないので、どこかに障害があるものの、検査や症状として表れていないだけとも考えられるのです。

脳卒中の後遺症への対応として、どんなことができるのでしょうか?

脳卒中の後遺症に対してはリハビリや再発防止の薬物治療が主流となっています。

麻痺、言語障害、認知障害などに対してはリハビリをすることで回復を試みます。現在の医療現場では様々な新しい手法が登場しています。例えばロボットで補助をしたり負荷をかけたりする方法や、脳を磁気で刺激する脳磁気刺激などが進められています。

実際リハビリは後遺症に効果的なのでしょうか?

実はリハビリをすることが、どれくらい回復につながるかというのは明確には示されていません。また後遺症が回復するメカニズムも解明されているわけではないのです。

現時点では、リハビリの期間が約6ヵ月を超える場合だと、それ以上の回復を望むことはなかなか難しいと言われています。 リハビリの目的は、後遺症を改善しつつよりよい日常生活を送ることです。リハビリのゴールは障害を受ける前の状態に戻すことではありません。それぞれの後遺症を可能な範囲で回復させてよりよい日常生活を送ることです

脳卒中の後遺症への理解を深めて日常生活でも意識してみましょう

今回は脳卒中の概要と後遺症やリハビリについて説明してきました。脳卒中は誰でもかかる可能性があります。

また、後遺症を抱える人は様々な苦悩を抱えています。立場に沿った対応が取れるように知識を身につけておきましょう!