全国共済お役立ちコラム

脳卒中になったあとのリハビリ方法についてご紹介していきます!

2019-11-6

脳卒中は一度かかると、高い確率で何らかの後遺症が残ってしまいます。
それを少しでも改善するためにはリハビリを行うことが必要になってきます。
今回は脳卒中になってしまったあとのリハビリについて焦点をあててご案内していきます。

リハビリによって脳卒中の後遺症を回復させることはできるのか?

脳卒中後の症状は様々ですが、基本的に入院後できるだけ早期にリハビリを開始することが大事です。何もせずに時間が経過すると、回復が遅れたり期待されるところまで改善できなくなる可能性が高くなるからです。

リハビリの目的は、脳や身体の機能を回復するならびに残った機能を開発・強化することです

例えば、右手に麻痺が残った場合にはリハビリによってその機能を回復することを目指します。あるいは無事な左手の機能を発症する前より強化して、よりよい生活が送れるようにします。

脳卒中によって一度ダメージを受けた脳細胞の損傷は残念ながら治ることはありません。ですが、脳の中で、これまでと別な方法で新たに回路をつなげて命令を伝えることはできる可能性があります。脳は新たに覚えたり学習したりする可能性を秘めているのです。

そのため、リハビリは継続して長く行ない、あきらめずに取り組むことが大切です。リハビリに携わる人もひとりではありません。

リハビリを担当するのは、起き上がる、歩くなどの基本動作の能力を向上させる運動や訓練を行なう理学療法士、食事をしたり、着替えをしたり、トイレに行ったりするような生活動作を身につけたり、能力向上させる訓練を担当する作業療法士、失語症などが残った方に、話す、読むなどの訓練を行なう言語聴覚士などがいます。

リハビリは急性期、回復期、維持期と大きく3つのステージに分けられる

一般的に脳卒中のリハビリは「急性期」「回復期」「維持期」に分けられます。それでは次にステージ毎のリハビリ方法について見ていきましょう。

急性期にはどんなリハビリが効果的なのでしょうか?

急性期は発症後1週間くらいまでの時期に開始します。主に寝たままで行うことになります

脳卒中にかかると病状が安定するまでベッドに寝たままとなることが多いですが、そのままでいると、筋力が低下したり、関節が固まったり、骨がもろくなったりしてしまいます。また身体を動かさないと精神的にも落ち込み、うつ状態や認知症につながることがあります。

そこで、姿勢を整えたり、手足を動かしたり、筋力をつけたりするベッドの上でもできる関節可動域訓練というリハビリをできるだけ早期にスタートすることが大事になってきます

手足のまひの回復は、自然治癒力によるところが大きいのですが、実際には、毎日、手足を動かす努力をしていないと、どの程度まで麻痺が回復してきたのかもわかりません。

回復期ではさらに専門的なリハビリを開始していきます!

急性期のリハビリによってある程度身体を動かせるようになった後は回復期のステージになります。発症後1週間から長い場合は数ヶ月間が回復期となります。

一般的に急性期でリハビリを行なった病院からリハビリ専門の病院に移ります。 回復期においては、特に機能が低下している部分の回復に焦点をあてることになります

後遺症の症状や程度にもよりますが、運動機能の回復ではベッドから起き上がることから始め、座った姿勢を保てるようになったら、次は車いすの訓練という風に移っていきます。その後、立つ練習も始め、立位を保持できたら歩行練習に移ります。

また、作業療法といって、着替えやトイレ、入浴などの応用動作も出来るように実際の作業に取り組んでいくこともあります。

維持期では自宅でのリハビリが主になるため強い意志が大事です!

専門的な集中したリハビリが終わると、いよいよ退院となり、自宅でのリハビリとなります。

自宅では、退院時の身体の状態に合わせ、トイレに手すりをつけたり、段差をなくしたりといった家の状態改善することも必要になる場合があります。これは自宅で無理なく安全に生活するための工夫と言えます。

維持期においては、回復期と異なり受動的なリハビリから、生活をしながら行っていく主体的なリハビリとなってきます

さらに、どうすれば体力を低下させずに毎日を楽しく有意義に過ごせるかという精神面も含めた生活習慣、生活の質も大事なってきます。 規則正しい生活をする、家庭内で役割を持つ、外出の機会をつくる、趣味を持つといったようなことが大切なポイントです。一方で、頑張り過ぎないことも大事になってきます。

生活していく上でリハビリに終わりはありません!生活の質を慎重に高めていきましょう

今回は脳卒中のあとのリハビリの過程についてご案内してきました。リハビリには終わりはありません。自分のペースで自分にあった生活の質を目指して、根気強く続けていきましょう