脳血管疾患の種類について徹底解説!

高齢者の死因として多い病気の一つに「脳血管疾患」があります。しかし、ひとくちに脳血管疾患といっても種類はさまざまで、原因や症状も異なります。そうなると、脳血管疾患にはどのよう種類があるのだろうと気になる方も多いのではないでしょうか。今回はそんな脳血管疾患の種類について詳しく解説していきたいと思います。脳血管疾患について漠然とした疑問や不安を抱いている方はこれを機会にぜひ確認してみてください!
そもそも脳血管疾患とは?
脳血管疾患とは、脳血管が詰まる、あるいは破れるといった脳血管の異常が原因で起こる、脳・神経の疾患の総称のことをいいます。65歳以上の高齢者の死因を見ると、「がん」「心疾患」「老衰」に続いて多いのがこの脳血管疾患です。
また、脳血管疾患は死に至らない場合であっても、寝たきりや要介護状態になりやすかったり、後遺症が残りやすかったりと極めて危険な疾患なのです。
脳血管疾患の種類
前述では脳血管疾患とは何か簡単に説明させて頂きました。
今度は脳血管疾患の種類について詳しく解説していきたいと思います。
脳血管疾患の種類は主に次の6つに分けられます。
■脳梗塞
脳梗塞は脳の血管の一部が閉塞することで発症する疾患で、「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つに分けることが出来ます。
また、脳梗塞の前兆として起こる症状のひとつに「一過性脳虚血発作(TIA)」があり、この場合、脳虚血によって神経症状が生じた後、脳梗塞に至らずに長くとも24時間以内に症状が消失します。
■脳出血
脳出血は脳の血管が破れて脳内で出血し、その血液の塊が脳細胞を圧迫して破壊してしまう疾患です。出血を起こした血管の位置や損傷の程度で出現する症状や後遺症の程度に差がありますが、何らかの後遺症が残りやすい病気です。
■くも膜下出血
くも膜下出血は脳表面の血管が破綻し、脳を覆っているくも膜の下に出血が生じた状態をいいます。発症時は突発的な激しい頭痛に襲われ、死亡したり重度の後遺症が残るケースが半数を占め、社会復帰できる人はわずか3割程度です。
■高血圧性脳症
高血圧性脳症は、血圧180mmHg以上の急激な血圧上昇によって頭痛・嘔吐・意識障害・全身けいれんなどの症状を引き起こす疾患です。
■脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、十分な酸素や栄養が脳に行き渡らず、その結果として認知機能に障害が起こる疾患です。
■無症候性頸動脈狭窄・無症候性頭蓋内動脈狭窄
無症候性とは症状がない状態を指します。また、頸動脈狭窄や頭蓋内動脈狭窄は、動脈が狭窄している状態で脳血流量が低下したり、頭蓋内塞栓を引き起こし、脳梗塞に至る前段階の状態をいいます。
脳血管疾患の原因
先ほど、脳血管疾患の種類を解説させて頂きました。
では、脳血管疾患は何が原因となって起こるのでしょうか。
考えられる要因としては次のようなものがあります。
原因を把握することで予防法が見えてくるので、是非参考にしてみてください!
■高血圧・糖尿病・不整脈
高血圧が続くと常に血管に大きな圧力がかかり、血管壁が損傷され、動脈硬化から脳梗塞を引き起こす恐れがあります。
また、糖尿病の場合は高血糖状態が続くと動脈硬化が促進され、脳梗塞を起こしやすくなります。
さらに、心房細動という不整脈は心原性脳塞栓症を引き起こしやすくなります。
■喫煙
喫煙者は非喫煙者と比較して、脳血管疾患を引き起こすリスクが男性で1.3倍、女性で2.0倍に跳ね上がります。また、タバコを吸うことでニコチンやタール、一酸化炭素が体内に入り込み、全身の血管が収縮して血圧の上昇を招きます。
■運動不足
運動不足の状態が続くと、末梢血管が細くなり、高血圧や動脈硬化といった血管の病気に罹りやすくなります。逆をいうと、運動習慣がある人は血液を送る量も多くなり、余分なコレステロールを排除できるので血管の病気になるリスクは低くなります。
脳血管疾患の症状
脳血管疾患の症状はさまざまですが、代表的なものは以下になります。
・急に手足に力が入らなくなる
・片足を引きずるようになる
・よく物につまずく
・言葉が出てこなくなる
・まっすぐに歩けず、ふらふらする
・片足が痺れる
・急にめまいがする
・片眼が一時的に見えなくなる
・ものが二重に見える
これらの症状は一つだけ現れることもあれば、複数の症状が重複して出る場合もあります。脳血管疾患は、必ずしも突発的に発症するものではなく、初期症状が現れることもあるので、上記のような症状を自覚したら、一度かかりつけ医に相談することをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか。このように、脳血管疾患には様々な種類があります。少しでも当てはまる症状がある場合は、早めに医師へ相談したり、生活習慣を見直す必要があるでしょう。