教えて!脳梗塞ってどういう病気? ~原因や症状、治療法まで徹底解説~

「脳梗塞」、みなさん一度は耳にしたことがある病名でしょう。脳梗塞は一度発症してしまうと、重い後遺症が残ったり、寝たきりになってしまうこともある非常に恐ろしい病気です。しかし、脳梗塞はきちんと予防をすれば防げる病気でもあります。今回は、そんな
脳梗塞について、症状や原因、予防法まで詳しく解説していきたいと思います。「将来、脳梗塞になってしまったら」と不安を抱えている方は是非読んでいってください!
脳梗塞とは
脳梗塞とは、脳内の血管が細くなったり、血栓ができて突然血流が途絶えることによって脳内の細胞が死んでしまう病気です。血管が詰まると血液の流入が止まり、脳に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。その結果、脳の神経細胞が壊死してしまい、さまざまな障害が生じます。
また、脳梗塞は血管の詰まり方によって3種類に分けることが出来ます。
首や脳などの比較的太い血管で動脈硬化が進行し、血流が妨げられて起こるものを「アテローム血栓性脳梗塞」、脳の奥の細い血管が詰まることで起こるものを「ラクナ梗塞」、不整脈のために心臓内にできた血栓が脳へ運ばれて起こるものを「心原性脳塞栓」といいます。
脳梗塞の主な症状
先ほど、脳梗塞がどのような病気か簡単に説明させて頂きました。
では、脳梗塞になった場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
主な症状としては次のようなものがあります。
・手足や顔がしびれたり、動かしにくい
・めまいがする
・嘔吐する
・呂律がまわらない、言葉が出てこない
・他人の言うことが聞こえない、理解できない
・物が見えにくい、あるいは二重に見える
これらの症状は、1つだけ出る場合もあれば、複数の症状が同時に出る場合もあります。
また、症状は突然出るケースがほとんどで、場合によっては一時的に治まることもあります。ただし、時間が経つと悪化するケースが多いので注意が必要です。脳梗塞はいかに早い段階で病院を受診できるかが大きな鍵となるので、症状が出た時点で早急に医療機関へ行くことをおすすめします。
原因
脳梗塞の大きな原因としては、動脈硬化が挙げられます。動脈硬化とは、加齢に伴ってしなやかさを失い硬くなった血管に、コレステロールや脂質でドロドロになった血液が付着して血管が細くなったり、血液の流れが悪くなった状態を指します。健康な血管であれば血液は留まることなく流れていきますが、動脈硬化によって血管内に血流が滞る場所ができてしまうと、そこで血液が固まりやすくなり、血栓ができます。すると、脳の血管内に作られた血栓や、心臓から運ばれた血栓が脳の血管をふさいでしまい、結果として脳梗塞が引き起こされます。
また、動脈硬化が起きる主な要因としてLDLコレステロールがよく挙げられますが、それだけではなく、高脂血症、高血圧、糖尿病、心臓病といった疾患や、肥満、喫煙、飲酒など日常の生活習慣とも密接にかかわっています。
治療法
先ほどもお伝えしましたが、脳梗塞はいかに早く治療を始められるかが鍵となります。脳梗塞の種類によって治療法は異なりますが、基本的には点滴や飲み薬による薬物治療が中心となります。また、症状が出てから4.5時間以内であれば、血栓溶解薬が投与して治療することが出来ます。これは詰まった血栓を溶かす薬で、発症初期の段階に血流が戻ることで、症状の改善が期待できます。さらに、一定の基準を満たした場合、カテーテルを用いて血栓を取り除く血管内治療も受けることができます。そのほかにも、急性期に投与される薬としては、脳を保護する脳保護薬や、脳のむくみを抑制する抗脳浮腫薬などがあります。また、身体的な麻痺や言語障害が出ている場合は、それぞれの症状に応じてリハビリテーションを行います。
早期発見と予防のためには
脳卒中のうち、死亡率の高い脳出血は以前に比べて減少しましたが、脳梗塞の患者数は年々増加しています。しかし、脳梗塞はあらかじめ予防をすることで、防ぐことができる病気です。先ほどもお伝えしましたが、脳梗塞を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化を招く要因は、高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病、喫煙、飲酒などです。つまり、脳梗塞は生活習慣病が大きな要因となっているのです。ですので、脳ドックで早期発見をし、生活習慣を見直せば、脳梗塞を防ぐことが出来るのです。
最後に、脳梗塞予防の4大ポイントをご紹介します。
1.自分の血圧を知り、コントロールすることを心がけましょう
2.塩分は控えめに、コレステロールを減らす努力をしましょう
3.リラックスできる趣味を持ち、適度な運動を取り入れましょう
4.早い段階で脳ドックを受診し、脳の健康状態を常に把握するようにしましょう
まとめ
いかがでしょうか。このように、脳梗塞は一度発症すると後遺症が残ったり、場合によっては死に至ったりと非常に危険な病気ですが、あらかじめ予防をすることで、十分に防ぐことが出来る病気です。皆さんも、今一度自分の生活習慣を見直し、脳梗塞にならないように予防をしましょう!