全国共済お役立ちコラム

脳血管疾患は予防できる!?

2021-12-6

長年、高齢者の死因として上位に来ている「脳血管疾患」。発症すると、重い後遺症が残ったり、寝たきりになったりと非常に危険な疾患です。そう聞くと、脳血管疾患は予防できないのだろうかと不安に思う方も多いですよね。実は、脳血管疾患は日頃から対策をすることで、十分に予防することが出来るのです。今回は、そんな脳血管疾患の予防法について、詳しく解説していきたいと思います。将来、脳血管疾患になってしまったらと不安を抱えている方は是非読んでいってください!

そもそも脳血管疾患とは?

そもそも、脳血管疾患とはどのような疾患なのでしょうか。
脳血管疾患は、脳内の血管が詰まったり、あるいは破れるといった脳血管の異常が原因で起こる、脳や神経の疾患の総称のことをいいます。冒頭でもお伝えしましたが、65歳以上の方の死因として「がん」「心疾患」「老衰」に続いて多いのがこの脳血管疾患です。また、脳血管疾患は死に至らない場合でも、寝たきりや要介護状態になりやすかったり、重い後遺症が残りやすかったりと極めて危険な疾患です。

脳血管疾患の種類

ひとくちに脳血管疾患といっても、発作の種類はたくさんあります。
なかでも代表的なのが、以下の6つです。
■脳梗塞
脳梗塞は、脳内の血管が狭窄、あるいは閉塞し、脳の組織に血液が行きわたらなくなることによって、十分な酸素や栄養が運ばれず、脳の組織が壊死してしまう状態を言います。
脳血管疾患の半数以上を占め、高齢者の発症率が特に高いのがこの脳梗塞です。
また、脳梗塞には「脳血栓」と「脳塞栓」の2種類があり、脳の動脈内に血栓がつくられ、血管を閉塞するものを「脳血栓」、脳以外の部位から血の塊が血管内を流れてきて、脳の動脈で血管を閉塞するものを「脳塞栓」といいます。
■脳出血
脳出血とはその名の通り脳内の出血のことをいいます。出血した部位や血腫の大きさによって程度は様々ですが、麻痺や意識障害といった多くの症状が現れます。また、脳出血の主な原因は高血圧で、脳梗塞に続いて高齢者に多い疾患です。
■くも膜下出血
くも膜下出血は、脳表面の血管の破綻によって、脳を覆っているクモ膜下腔に出血が生じた状態をいいます。なかでも脳動脈瘤破裂による発症が8割を占め、高齢者に多くみられます。また、くも膜下出血は死亡や重度の後遺症が残るケースが多いのが特徴です。
■慢性硬膜下血種
慢性硬膜下血種は、脳膜下に出血が起こり、血腫が作られることで脳が圧迫された状態をいいます。症状としては、頭痛や認知障害、歩行障害、片麻痺などがみられます。高齢者やアルコール多飲者に多くみられる疾患で、頭部外傷が原因ですが、その既往が全くない方でも発症することがあります。
■脳血管性認知症
脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血など脳血管の障害に伴って起きる認知症のことをいいます。脳の血流障害によって、十分な酸素や栄養が脳の組織に行き渡らないことが原因で物忘れや認知症が生じます。認知症患者の約15%を占め、60~70代に多いとされます。また、高血圧症や血圧の変動が大きい方に多くみられます。
■高血圧性脳症
高血圧性脳症とは、血圧130 mmHg以上の急激な血圧上昇によって頭痛や嘔吐、意識障害、けいれんなどを起こす疾患です。何らかの原因によって血圧が急激に上昇すると、脳内の血液循環が調整できなくなり、脳動脈がけいれんを起こして、出血、梗塞、浮腫を引き起こします。

脳血管疾患を予防するためには!?

脳血管疾患を予防するためには、何と言っても生活習慣を見直すことが大切です。これは、発症の主な原因が高血圧や糖尿病などであることからもお分かりいただけるでしょう。具体的に気を付けるべき内容は次の通りです。
■食生活
塩分の摂りすぎは高血圧につながるため、減塩に努めましょう。1日の塩分摂取目標は成人男性であれば8グラム未満、女性は7グラム未満、高血圧の方は6グラム未満です。また、肥満は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの原因となるため、肥満の方はカロリー量と食事バランスを見直す必要があります。
運動
運動不足は肥満につながるだけでなく、血管のしなやかさが失われ、動脈硬化が加速します。動脈硬化を防ぐには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的です。日ごろの生活の中で、運動するクセを付けましょう。
■喫煙
タバコに含まれる有害物質は血管を収縮させ、血圧を上昇させます。喫煙者は、非喫煙者に比べて脳梗塞の発症率がきわめて高いといわれています。喫煙している方は、禁煙に努めましょう。
■飲酒
お酒などのアルコール類は適量をこころがけましょう。1日にビールなら中ビン1本、日本酒なら1合にとどめ、女性はその半分までにしましょう。また、週2日は休肝日をつくりましょう。
■ストレス
ストレスは自律神経の働きを乱し、高血圧や不整脈などを引き起こす場合があります。気分転換をするなど、ストレスをためないようにしましょう。
■健康管理
定期的に健康診断を受け、自分の持っている危険因子を早期発見しましょう。また、血圧の高い方は血圧測定を行い、自分の血圧の状態を把握するようにしましょう。

まとめ

いかがでしょうか。このように、脳血管疾患は生活習慣を見直すだけでも十分に予防することが出来ます!皆さんも今後の為に、是非今の自分の生活習慣を見直してみて下さい!