全国共済お役立ちコラム

脳血管疾患に関わる共済について

2021-12-8

脳血管疾患とは、脳血管が詰まる、あるいは破れるといった脳血管の異常が原因で起こる脳・神経の疾患の総称です。
脳血管疾患は、死に至らない場合であっても、寝たきりや要介護状態になりやすかったり、後遺症が残りやすかったりと極めて危険な疾患なのです。
今回は、もし自分や家族が脳血管疾患にかかってしまったら、どの様な補償のある保険に入っておけば安心なのかについて、前回と同じく保障に関しまして、考えていきたいと思います。

脳血管疾患を引き起こす要因

脳血管疾患の主な原因は、動脈硬化によるものとされています。
動脈硬化とは血管が老化して柔軟性を失い、その内面にコレステロールなどが溜まってできた状態です。それが進行すると血栓ができて血管が詰まってしまうこともあります。動脈硬化は高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、メタボリック症候群(肥満、血圧高め、脂質がやや異常、血糖値がやや高めの状態)などが原因とされています。加齢や病気(高血圧や糖尿病)、食生活の偏り・運動不足・喫煙・過度な飲酒などによってリスクが高まる動脈硬化は、生活習慣の改善により進行を抑制することができます。まずは、今一度自分自身の生活習慣を振り返り、改善の必要がある部分を洗い出して健康維持を目指したいものです。

脳血管疾患の種類

脳血管疾患にはいくつかの種類があります。
まず一つ目が、脳梗塞です。脳梗塞は、脳の血管の一部が閉塞することで発症する疾患です。
二つ目は、脳出血です。脳出血は、脳の血管が破れて脳内で出血し、その血液の塊が脳細胞を圧迫して破壊してしまう疾患です。何らかの後遺症が残りやすい病気とされています。
三つ目は、くも膜下出血です。
くも膜下出血は脳表面の血管が破綻し、脳を覆っているくも膜の下に出血が生じた状態をいいます。発症時は突発的な激しい頭痛に襲われ、死亡したり重度の後遺症が残るケースが半数を占める恐ろしい病気です。
四つ目は、高血圧性脳症です。
高血圧性脳症は、血圧180mmHg以上の急激な血圧上昇によって頭痛・嘔吐・意識障害・全身けいれんなどの症状を引き起こす疾患です。
五つ目は、脳血管性認知症です。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、十分な酸素や栄養が脳に行き渡らず、その結果として認知機能に障害が起こる疾患です。
最後に、無症候性頸動脈狭窄・無症候性頭蓋内動脈狭窄です。
無症候性とは症状がない状態を指します。また、頸動脈狭窄や頭蓋内動脈狭窄は、動脈が狭窄している状態で脳血流量が低下したり、頭蓋内塞栓を引き起こし、脳梗塞に至る前段階の状態をいいます。

脳血管疾患による死亡は減少傾向

昭和48年には脳血管疾患による死亡は死因の第1位でしたが、現在は4位になっています。
一方で、脳血管疾患にかかった場合に要介護状態になる場合、寝たきりになる場合が双方で一位となっています。一命はとりとめたものの日常生活に支障をきたすことになってしまいかねない恐ろしい病気が脳血管疾患なのです。
万が一発症してしまったときの保険が、いかに重要であるかお分かりいただけるかと思います。

脳血管疾患に関わる共済について

万が一、脳血管疾患で手術を受けなければならないとなった場合、自己負担の3割に高額療養費制度を利用しても高額な医療費の負担が発生します。
さらに、脳血管疾患では長いリハビリが必要になることもあるため医療費にプラスαできる補償を受けられるようにしておくとより安心できます。
ここからは、脳血管疾患が発症した時に受けられる保険についてみていきましょう。

まず一つ目が、医療保険による備えです。
医療保険は病気やケガで治療を目的として入院をしたり、所定の手術を受けた場合などに給付金を受け取ることができる保険であり、公的な医療保障でまかなえない医療費の自己負担額に対して備えることができます。
通院治療も保障してくれるため、長期にわたる保障が受けられるところが非常にありがたい点だと思います。
二つ目が、三大疾病保険による備えです。
三大疾病(特定疾病)保険とは、生前給付保険とも呼ばています。
被保険者が、がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中になったとき、または死亡した時、または高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる保険です。
死亡保険よりも広範囲にわたった保障内容であるため、保険料が高めに設定されているというところが注意点だといえます。
最後に、就業不能保険、所得補償保険による備えです。
就業不能保険、所得補償保険は、病気やケガによって働けない状態になった場合に、毎月、給与のように給付金が支払われます。障害の程度に応じて支払われる額が変わってくるため、加入を検討する際には詳細を確認する必要があります。

以上が脳血管疾患にかかったときに保障される保険の種類です。
このように、万が一脳血管疾患にかかってしまった場合の保険は様々な形で用意されています。
もちろんすべての保険に加入するのが最も手厚い保障を受けられますが、保険料との兼ね合いの問題が発生してきます。
今一度保険内容と保険料について検討し、自分自身が最低限どういった補償を求めるのかについて考えていく必要があるといえます。