返戻金とは?どういうものなのでしょうか。

保険金や給付金の支払い事由が発生しないまま、生命保険や積立保険の契約の解除をしたり、契約が満期を迎えた場合に契約者に返されるお金のことを「返戻金」と言います。
保険会社によっては、「払戻金(はらいもどしきん)」ともいいます。解約の場合は「解約返戻金」「解約払戻金」、満期の場合には「満期返戻金」「満期払戻金」といいます。
自分がその「返戻金」を受け取ることが可能なのか。現在保険の加入を検討しているが、どういった保険に加入すれば「返戻金」がもらえるのか。そういった疑問をここで解説していきたいと思います
返戻金の種類
冒頭でも少し説明しましたが、「返戻金」には、「解約返戻金」と「満期返戻金」があります。
全ての保険に「返戻金」があるわけではありません。
終身保険や養老保険、学資保険など返戻金のある保険と、返戻金のない一般的に「掛け捨て」呼ばれるタイプの保険があります。支払った保険料は保障部分と貯蓄部分に分けられ、戻ってくるのは貯蓄部分だけです。このため、解約の場合は支払った保険料の全額が戻ってくるわけではありません。
|解約返戻金について
「解約返戻金」とは何らかの事情によって契約が満了できなかった場合に返戻されるお金です。
保険会社も予定していた資金運用ができなかったわけですから、戻ってくるお金は満期保険金に比べて割安になるのは仕方ないことでしょう。特に契約してからの期間が短い場合は、保険契約にかかる経費の償却という意味もあって契約返戻金は少額になりがちです。
ただし終身保険など契約期間が生涯続くものについては、一定の期間が経過した後は払込保険料に対して有利な契約返戻金額が期待できます。こういう保険商品は、ある時期を過ぎると解約返戻金が逓減していくしくみになっていくものが多いので「解約返戻金が多いうちに解約し、返戻金を老後の生活資金に充当しよう」という考え方もあっていいと思われます。
生命保険の解約返戻金の種類は、下記の3つに分類されます。
【低解約返戻金型】・・・低解約返戻型は、解約返戻金の返戻率を払込保険料の累計額の70%程の低い水準に設定しています。保険期間中の解約返戻金が少なく、保険料の払い込みが終了した時点で解約返戻金が大きく増えることが特徴です。
【従来型】・・・低解約返戻金型と異なり低解約返戻金期間を設けていないため、払い込む保険料とともに解約返戻金が増えていきます。保険料を払い込みが終わる頃には支払った保険料と解約返戻金が同程度になります。保険料払い込み終了時に解約返戻金は大きく増えず、緩やかに増えていきます。
【無解約返戻金型】・・・無解約返戻金型の保険は、定期保険や医療保険などに多くみられるタイプで、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。
解約返戻金をなくすことで低解約返戻金型と比べて、保険料を割安にできる効果があります。
|満期返戻金について
満期保険金は「保険契約が満了するまで何事もなければ返してもらえるお金」です。すでに払込期間も終了しており、一定の年齢の達した時にまとまったお金を受け取ることができるというのは大きな魅力でしょう。老後の人生設計の一部に満期保険金の存在を組み込んでいらっしゃる方も多いと思います。
まとまった額の満期保険金を期待できるのは、一般的には貯蓄型の保険でしょう。保険会社は契約期間中に払い続けた保険料を運用し、支払い保険料に見合うか、それ以上の満期保険金が期待できるでしょう。
保険会社は受け取った保険料の運用分を計算して満期保険金の金額を設定しています。払い込んだ保険料の総額より満期保険金が少ない場合は、その分を保障の手厚さに振り分けた保険だと考えることができます。解約返戻金と同様、所得税の対象となる点については注意が必要です。
満期保険金がある保険には、養老保険や学資保険があります。
【養老保険】・・・養老保険は死亡保険金と満期保険金が同額になっています。
保険契約期間中は死亡した場合に受取人が死亡保険金を受け取れ、契約期間満了まで生存していた場合は契約者が満期保険金を受け取ることができます。
【学資保険】・・・こどもの教育資金の積み立てを目的として加入する保険で、一定の期間で祝金や満期保険金を受け取ることができます。
まとめ
死亡保障の生命保険は被保険者の死亡に備えて加入しますが、病気やケガとは違ってたびたび起きることではありません。保険期間中に何も起きない(死亡しない)ことは良いことですが、解約したり満期をむかえたりすると、保険金を受け取ることなく保険料を払っただけ(掛け捨て)ということになります。
掛け捨ての保険を希望しない人や生命保険を貯蓄の代わりに活用したい人は、解約返戻金や満期保険金のある保険を選ぶとよいでしょう。
解約返戻金や満期保険金がいくらあるのか、払い込む保険料に対する返戻率は納得できる水準なのかは加入する前にしっかり確認しておきましょう。