全国共済お役立ちコラム

保険の「満期」について知っておくべきこと

2020-9-2

生命保険について考えるとき、「いつまで保険の効力があるか」「いつまで保険料を支払うのか」は非常に重要です。これらは「満期」とも言われます。では、生命保険に満期まで加入しているとどうなるのでしょうか。
生命保険に加入したいと考えている人の中には、「満期」という言葉の意味がわからない人は意外と多いようです。
そもそも「満期」および「満期返戻金」とは何か?満期返戻金を受け取れる保険はどんな保険なのか?などの疑問について解説をしていきます。

保険の「満期」とは?

生命保険に加入するときには、必ず「満期」を確認しましょう。
満期がわかれば「保障がいつまで続くのか」「保険料の支払いはいつまでか」がわかるからです。
生命保険の満期について解説していきます。

|満期とは「保険期間が終わるタイミング」
保険の「満期」とは、単純に「保険期間が終わるタイミング」のことです。
保険期間とは保険が始まってから終わるまでの期間のことをいうため、保障が終わるタイミングとも表現できます。
基本的に満期を迎えることで加入している保険の契約は終了し、保険の効力はなくなります。
さらに「満期返戻金」とは、満期を迎えたときに受け取れる保険金をいいます。
満期返戻金が受け取れる代表的な生命保険に、「養老保険」が挙げられます。すべての生命保険で満期返戻金を受け取れるわけではない点に注意しておきましょう。
また、生命保険の中には満期がないタイプもあります。例えば、死亡保障が一生涯続く「終身保険」の場合、満期を迎えることはありません。

|生命保険が「定期型」か「貯蓄型」で満期の意味合いが異なる
【定期型の生命保険の場合】
…契約時に定めた保険期間が終了するとき/継続するには契約の更新が必要になるとき
定期型の生命保険は、保険期間が10年・20年というように期間で区切られているのが特徴です。
保険を継続するなら満期のタイミングで更新する必要があります。

【貯蓄型の生命保険(養老保険など)の場合】
…契約時に定めた保険期間が終了するとき/「払込満了」のとき
満期返戻金がもらえる貯蓄型の生命保険として代表的な養老保険では、「保険期間が終了するタイミング=満期が来たタイミング」で保険料の払い込みも終了し、満期返戻金を受け取ることができるのです。

|満期返戻金とは
満期返戻金とは満期を迎えたときに保険会社から支払われるお金のことです。保険によっては、実際に支払った保険料よりも大きい額が支払われることもあります。ただし、どの保険にも満期返戻金があるわけではなく、貯蓄性のある保険だけが満期返戻金が支払われます。生命保険における、満期返戻金がある代表的な商品は、養老保険です

【養老保険】
定期保険のようにあらかじめ決められた期間の保障があり、その期間を終えた時点に満期の保険金を受け取ることができます。被保険者の生存・死亡に関わらず保険金が支払われることから、養老保険を「生死混合保険」と呼ぶこともあります。
・被保険者が満期日以前に死亡した場合
…保険金受取人が「死亡保険金」を受け取る
・被保険者が満期日の時点で生存している場合
…満期金受取人が「生存給付金」を満期保険金として受け取る
なお、死亡保険金と生存給付金(満期保険金)は、同額です。

|満期返戻金の受け取りでかかる税金は
満期返戻金を受け取るときには、ケースごとに異なる税金がかかります。

(1)契約者と受取人が同じ人…所得税・住民税
契約者と受取人が同じ人の場合、受け取る満期返戻金は「一時所得」となり、「所得税・住民税」の課税対象となります。

▽計算式
(満期保険金+配当金-払込保険料総額-特別控除50万円)×1/2=一時所得の課税金額

受け取った満期保険金と配当金の合計額から、払込保険料総額を引いた金額が50万円以下の場合、税金は発生しません。

【例外:源泉分離課税となる場合】
保険が5年以内になる一時払養老保険などの「金融類似商品」に該当する場合は、「源泉分離課税」となります。源泉分離課税とは、他の所得とは分離して考えられ、税金は一定の税率で徴収されます。この所得を受け取る時点で、源泉徴収によってすでに税金は差し引かれています。
満期時の受取金額(配当金を含む)と払込保険料との差益に、次の税金がかけられます。
・所得税15%
・復興特別所得税0.315%(平成25年1月1日~平成49年12月31日までの間)
・住民税5%
計20.315%の税金

(2)契約者と受取人が違う人…贈与税
満期返戻金から基礎控除額である110万円を引いた金額が、課税所得となります。

▽計算式
満期保険金-110万円(基礎控除)=課税所得

課税所得に所定の税率をかけた金額が、最終的に税金として引かれる金額です。

まとめ

今回は「満期」と、満期に関する税金などの周辺知識について解説しました。
保険の種類によって満期の意味合いは異なり、貯蓄性のある保険に関しては満期返戻金を受け取ることが可能です。一方で掛け捨ての保険にとっての満期は「更新」あるいは「乗り換え」を検討する時期でもあります。
そのほか、満期を語る上では税金の知識も欠かせません。満期にかかわる知識を深め、ご自身に合った保険探しに役立てましょう