全国共済お役立ちコラム

返戻金の受け取りについて知りましょう

2022-3-4

生命保険にもさまざまな種類がありますが、保険によっては保険期間満了を迎え満期に達したときに、「満期返戻金」を受け取れるものがあります。
また、保険期間満期に達した時に受け取れる「満期返戻金」とは異なり、保険を解約した時に受け取れる「解約返戻金」というものもあります。保険によってですが、解約した際に、いくらか受け取れる保険もあります。
返戻金の受け取り方によっては税負担が増え、手元に残るお金が少なくなる場合があるので注意しなければなりません。そこで今回は、生命保険の返戻金の概要を説明したうえで、税金との関係性を解説します。

そもそも返戻金とは?誰が受け取れるの?

生命保険の満期は、保険期間が終了するときだと思われがちですが、実は保険の種類によって満期の捉え方が異なります。
まず、一定期間備えを用意する定期タイプの生命保険の場合、10年や20年など、保険契約をする際に定めた保険期間が満期です。定期タイプの生命保険を継続するのであれば、次回契約更新するタイミングが満期になります。
一方、保障が一生涯続く終身タイプの生命保険の場合、契約者が死亡したときに保険期間が終了するため満期はありません。
このように、満期がいつになるかは加入する生命保険の種類によって異なります。また、保険契約が満期に達したときにまとまったお金を受け取れる場合、そのお金のことを「満期返戻金」と言います

|満期保険金と解約返戻金の違い
保険期間が満期に達することで受け取れる「満期返戻金」ですが、似たような仕組みとして「解約返戻金」が挙げられます。

「解約返戻金」とは、生命保険に加入している期間内に契約を解約したときに、支払った保険料の一部が払い戻されるものです。保険契約を解除するのは、契約者自身だけでなく保険会社である場合もあります。

解約する時期にもよりますが、「解約返戻金」の場合、たとえ満期に達していなくても支払った保険料の一部を手もとに戻すことが可能です。一方、満期に達する前に保険契約を解除すると、「満期返戻金」を受け取ることができません。そのため、生命保険の「満期返戻金」を受け取るためには、保険期間満了まで長期的に保険契約を継続することを考えておく必要があります。

|返戻金の受取人について
返戻金は、契約者本人が受け取るのが多いですが、契約者本人以外も受け取ることは可能です。
生命保険の返戻金の受け取りには税金がかかりますが、契約者と受取人の関係によって課税される税金の種類が異なるので注意が必要です。

【契約者と受取人が同じである場合】
契約者と受取人が同じである場合、所得税が課税されることになります。

また、返戻金の受け取り方には、「一時期として受け取る場合」と「年金として受け取る場合」の2種類があります。返戻金の受け取り方によって所得税額の計算方法が異なるので、どのように受け取るべきか判断できるようにしておきましょう。

・返戻金を一時金として受け取るとき
返戻金を一時金として受け取る場合、そのお金は「一時所得」とみなされます。前述したように、一時所得の場合、返戻金から支払保険料総額と特別控除50万円を差し引いた金額の2分の1が課税対象になります。
課税対象になる金額がプラスである場合は、雑所得として総合課税されるため、確定申告したうえで納税しなければなりません。

・返戻金を年金として受け取るとき
返戻金を年金として受け取る場合、一時所得ではなく「公的年金等以外の雑所得」として課税対象になります。
雑所得として申告する金額は、その年に受け取った返戻金額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いたものです。1年間で返戻保険金のうちいくら受け取るのか、これまでどれくらい保険料を払い込んだかによって税額が変わるので、事前に保険会社に確認しておきましょう。

【契約者と受取人が違う場合】
契約者が夫で、受取人が妻になっているなど、契約者と受取人が違う場合、返戻金が贈与されたとみなされるため、贈与税が課税されます。たとえば、夫が契約者である生命保険で、1,000万円の返戻金を妻が受け取ることになった場合、1年間に受けた贈与額が110万円が非課税なので、課税される金額は890万円になります。

ただし、契約者と受取人が異なる人物であっても、返戻金の受取方法を年金方式にすると、そのお金には所得税が課税されます。その場合、年金支給初年は全額非課税、2年目以降は課税部分が階段状に増加していく方法で税額が計算されます。
契約者が親で、受取人が子供の場合も同じです。

まとめ

「満期返戻金」や「解約返戻金」が受け取れる生命保険にはさまざまな種類がありますが、大切なのはどのような目的で生命保険に加入するかをはっきりさせておくことです。返戻金を多く受け取れるように設定しても、保険料を支払い続けられなかったり、いざというときに必要な保険金を受け取れなかったりすると、備えを用意する意味がなくなってしまいます。
また、契約者や受取人を誰に設定するか、返戻金をどのように受け取るかによって納税額が変わることも意識する必要があります。税負担が大きいと手もとに残るお金が少なくなるので、生命保険の種類とあわせて考えておきましょう。