返戻率の割合はどれくらいでしょうか

返戻率とは、支払った保険料に対し、解約したときにどれだけのお金が受け取れるかという割合をあらわしています。返戻率が高いと解約した時にもどってくる解約返戻金が多くなります。払い込んだ保険料に対しての割合がわかるので、解約するときの目安となります。多くの人は、返戻率が低い保険よりも、返戻率が高い保険がいいと思うでしょう。しかし、返戻率が高い保険は、一般的に保険料が高くなりがちです。返戻率も大切なことですが、あくまでも生命保険。
万が一の保障が充分にあるか、保険料を払い続けることができるのかなどを考えておくことも大切です。
返戻率は契約年数が長いほど高くなる
では保険を検討するとき、返戻率はどのように活用するとよいのでしょうか?
いろいろな考え方があると思いますが、基本的には貯蓄型の保険商品どうしを比較する際の参考としてチェックするのが良いでしょう。
一般的に、個人向けの貯蓄型の保険では、契約年数が長くなるほど返戻率が高くなります。短期間では100%を下回ることが多いです。「貯蓄型の保険」というと、支払った保険料がそのままたまるとイメージする人もいますが、それは誤りです。100%を下回る時期に解約すると、支払ったよりも少ない金額しか戻ってきません。何年後になったら100%を超えるかどうかはぜひ確認しておきましょう。その期間までは解約しないつもりで契約すると安心です。
解約返戻金のある保険の見極め方!
解約返戻金がある保険といっても、保険の種類によって保険本来の強みである保障の内容が違います。
5種類の保険と解約返戻金について確認しておきましょう。
■終身保険の解約返戻金
終身保険の特徴は、解約するまで続く“一生涯の死亡保障”。そのため満期保険金はありませんが、一般的に解約返戻金は保険の加入期間が長くなるにつれて増えていきます。当然のことながら高くなります。
■養老保険の解約返戻金
養老保険は、満期があるのがポイント。満期を迎える前に死亡すれば死亡保険金を受け取ることができ、満期時に生存していた場合は満期保険金を受け取ることができます。解約返戻金は、一般的に契約期間が長くなるほど返戻率は高くなります。
また、場合によっては、見積もりの時点で健康状態や喫煙の有無などの情報の入力を求められることもあります。
■学資保険の解約返戻金
学資保険は、教育費準備を目的とした保険です。子どもの進学に合わせて、お祝い金や満期保険金を受け取ることができます。途中解約しても解約返戻金はありますが、払込保険料よりも少なくなるケースが多くなります。早期解約の場合は、解約返戻金がごくわずかになるケースもあります。
■医療保険の解約返戻金
医療保険といえば、以前は掛け捨てが主流でしたが、最近では医療保険でも、解約返戻金があるタイプがあります。一般的に掛け捨てタイプよりも保険料は高めに設定されています。
■個人年金保険の解約返戻金
老後資金として将来の年金を準備するための保険。途中で解約すると、一定金額を解約返戻金として受けとることができますが、短期で解約してしまうと支払った保険料よりも少ない解約返戻金しか受け取れません。
返戻率が高い保険と低い保険
同じ保険種類の中でも解約返戻金の型によって返戻率に大きな違いが生じたり、保険会社や通貨によっても違ってきたりします。以下の項では、色々なケースを考えてみたいと思います。
■返戻率が高いのはどんな保険?
一般的に貯蓄性のある保険といえば、終身保険・養老保険・学資保険・個人年金保険といったところでしょうか。
保険に加入する際は、その目的に応じて保険の種類を選ぶ必要があります。
返戻率はその保険の種類によって違いますので、同じ保険種類の中で比較検討することが必要になってきます。
同じ保険種類の中、同額の保障内容で比較した場合、各保険会社が保険料を決定する際の「予定利率=保険料を決定するために使用する保険特有のもので、契約者に約束する運用利回り」の高さが、返戻率の高さの一つの目安になると思います。
ただ、現在の日本の超低金利状態では、各社とも予定利率に大きな違いはありません。
なので、各種保険の返戻率を高くする方法としては、保険料の払込を短縮して支払う、いわゆる「短期払」という形があります。
この方法を取ると返戻率は場合によっては飛躍的に高くなることがあります。
ただし、本来の保険料の払込期間を短縮して支払うことになりますので、同じ保障内容であれば保険料は必然的に高くなります。
■返戻率が低いのはどんな保険?
昨今では各社とも「低解約返戻金型保険」を発売しています。
従来の保険に対して保険料を安くする代わりに、返戻率も低く設定されています。
これは主に終身保険を中心とした商品構成になっており、保険料払込期間中の返戻率は従来の60%~70%の返戻率にとどめられ、払込期間終了後に従来の返戻率以上の数値になるというのが一般的な形です。
標準的な低解約返戻金型ではない保険と比べると低解約返戻金型保険のメリットは、保険料が安く設定されているので無理なく保険運用ができることですが、払込期間中に解約した場合は低い返戻金しか受け取れないことがデメリットとなります。
まとめ
いかがでしょうか。
返戻率を比較する際にパンフレットや設計書上の数値データを比較することはもちろん大切なことですが、その前にそもそもの保険加入の目的は何なのか、保障内容はどうなっているのか、保険料は無理なく支払っていける額なのかという点をご自身でしっかり確認・把握した上で検討することが重要です