全国共済お役立ちコラム

高額療養費制度があるのに、医療保険は追加で必要か?

不測の経済的リスクに備えるため、医療費の負担を軽減してくれる「高額療養費制度」というものがありますが、それ以外に医療保険は追加で必要なのでしょうか。病気やケガなどに備えて、より手厚い備えを考えている人もいるのではないでしょうか。今回は、高額療養費制度と追加で医療保険に加入する必要があるのかについて考えてみましょう。

高額療養費制度である程度はカバーできる?

高額療養費制度とは公的医療保険において長期の入院や通院、手術など医療機関・薬局に支払った医療費の自己負担額(3割負担の額)が一定額を超えた場合、医療費の一部が払い戻される仕組みです。しかし、対象となるのは保険診療に関する費用のみとなり、差額ベッド代などは含まれません。

それ以外にも、家族がお見舞いのために病院へと通う交通費や衣類、日用品などのお金も必要です。それらの費用はもちろん自己負担となり、1日あたり平均14,000円ほどの費用がかかるともいわれています。

一方、入院日数の平均は約31日。1回の入院にかかる平均の費用は14,000円×31日=約430,000円となります。社会保険に加入している場合、傷病手当金によっていくらか支給されるとしても「これだけのお金を支払うと家計にとっては大きな負担」と想像される方は多いのではないでしょうか。

傷病手当金で足りない場合、貯金を切り崩すことになりますが、充分な貯金の備えができていない人が多いのも現実。医療保険はそういった経済的リスクへの備えとなります。

充分な公的保障が得られない方にも

ケガをした時や病気による療養が必要となり所得が得られなくなった人が、通常給与の3分2の手当が受けられる保障の傷病手当金。「傷病手当金があるのに経済的リスクに見舞われることがあるの?」と考える人がいるかもしれませんが、誰しもが公的保障を受けられるわけではありません。

通常、傷病手当金の支給が受けられるのは、社会保険の加入者。自営業者や個人事業主には支給されません。手当の有無は生活リスクに大きな影響を与えます。自営業者や個人事業主が社会保険の加入者と同様の備えしかしていなかった場合、それまでと同じような生活をしていくことが難しくなってしまうことも予想されます。そのため、収入の代わりにもなる医療保険に加入しておくことが安心につながるのです。

入院などで仕事ができない期間の保障を望む場合は、所得補償保険も検討の対象となります。病気やケガなどで仕事ができない状態になった場合、働けない期間の収入を補ってくれるのが所得補償保険。保険金額として設定した金額を受け取ることができます。

所得補償保険では医療保険のように1日いくらではなく、1カ月いくらと設定するのが特徴です。こういったように給与保障としての保険商品もたくさんありますので、医療保険とともにチェックしてみましょう。

公的な保険制度の将来性を考えると?

将来的に少子高齢化が進むと、このまま日本の社会保障が継続するとは限りません。医療費の3割負担や高額療養費制度など、公的医療保険制度が現在と同じ条件で利用できる保証はありません。医療費負担の割合が今よりも増えるなど条件が変わってしまえば、当然ながら自己負担の割合が大きくなります。

将来的な変化を考えるなら、一定額の給付金が支払われる医療保険への加入は安心の備えとして検討できるはずです。

入院中の安心を得るためにも

病気により入院が必要になった場合、症状や治療内容によって入院日数は異なります。どれだけの治療費がかかるのかもわかりません。病気の内容によっては高額な手術が必要な場面もあるでしょう。また、入院が長引けば「仕事ができなくなるのでは?」という不安も感じるものです。

医療保険に加入していれば、ある程度の経済的な余裕が生まれますし、気持ちも楽になります。経済的なことに悩まされず治療に専念できるというのは、精神的な療養を満たす意味でも大きいのでないでしょうか。

医療保険は入院中の経済的なリスクをカバーしてくれる存在だけでなく、精神的な安心を得られる存在でもあるのです。

リスクに備えることは安心を得ること

高額療養費制度では入院や通院・手術に係るすべての費用をカバーできるわけではありません。入院中の生活に必要な食費や居住費、家族の交通費用は対象外ですし、先進医療にかかる費用も対象外となります。

医療費における経済的リスクをサポートしてくれる高額療養費制度ではあるものの、今後の制度内容の変更や、将来的な不測の事態への備えを考えるなら、医療保険についても併せて検討しておきたいところです。

高額療養費制度だけで充分。医療保険は不要」と考える人もいることでしょう。たとえ入院しなければならなくなったとしても、充分な貯蓄があり家計も問題ないと言い切れる人には、医療保険は不要なのかもしれません。医療保険が必要か不要かは経済状況や考え方によりますので、家族と相談したうえでじっくり検討するようにしましょう。