全国共済お役立ちコラム

高額医療費制度があっても医療保険は必要?

2020-12-8

これまで高額医療費制度について様々なテーマからご紹介してきました。医療費が高額になっても申請することで自己負担額が少なくなるということがわかりましたね。高額医療費制度があれば突然病気やけがをしても安心、民間の医療保険は必要なさそう、と思ってしまうかもしれません。しかし、本当に医療保険は必要ないのでしょうか。
今回は高額医療費制度があっても医療保険は必要かどうかについてご紹介します。今回のコラムを読んで、高額医療費制度の疑問点や不安を少しでも減らしていきましょう。

高額医療費制度があれば医療保険はいらない?

高額医療費制度があれば医療保険の加入は必要無いのでは?と思う人もいるかもしれません。高額医療費制度があれば自己負担限度額以上は払わなくて良いのですが、適用外となってしまうパターンが多く、使えないことがあります。例えば、差額のベッド代、食事代や自由診療・先進医療を利用した場合や、医療費が合算できなかった場合などです。また、入院して収入が減った場合の経済的なリスクに対しては高額医療費制度でまかなうことはできません。公的な制度でカバーできないこれらの部分を民間の医療保険で補う必要があると思います。実際に医療保険もしくは医療特約の世帯加入率は88.5%となっています。多くの人が高額医療費制度をはじめとする公的保険だけではなく、医療保険の必要性を感じて加入しているということになります。

高額医療費制度と医療保険の違い

 

高額医療費制度と医療保険の違いについてご説明します。

◎高額医療費制度
高額医療費制度は、国民皆保険によって日本国民全員が利用できる公的な制度です。医療費が高額になった際に自己負担限度額以上は払わなくて済むのですが、誰もが使える分、保障は必要最小限となっています。人によって収入や貯蓄、持病の有無などの事情が異なり、必要な保障の内容や保険金額が変化するため、高額医療費制度ですべてをカバーするのは難しいかもしれません。

◎医療保険
医療保険は民間の保険会社が販売している商品で、各個人が保険料を払って加入します。保険の種類、保障内容、保険金の額、保障期間、保険料などが様々で、各個人で備えたいものや必要に応じて保険商品を選択することができます。選択肢が多いため、より自分に合った保険をかけられます。高額医療費制度が使えない出費に対しても備えることができます。ただし自身の健康状態を正しく伝える必要があり、その健康状態によっては加入できない保険もあります

高額医療費制度と医療保険の併用

医療保険の保険金を受け取ると高額医療費制度は使えない、高額医療費制度の自己負担限度額を計算するときに支払った医療費から給付された医療保険の保険金を差し引かなければならないと誤解している人もいるかもしれませんが、高額医療費制度と医療保険は併用可能です。医療保険の保険金を受け取っても高額医療費制度は使えますし、高額医療費制度を使う際に生命保険・損害保険の保険金を差し引く必要はありません。

医療費保険の種類

高額医療費制度があっても医療保険は加入しておくと将来の健康的な不安に備えられることがわかりましたね。では、医療保険には一体どのようなものがあるのでしょうか。

◎一般的な保険
手術したら手術給付金、入院したら入院給付金がもらえるという一般的なタイプの保険で、定期保険と終身保険の2種類あります。定期保険は保障期間が決まっていますが、終身保険に比べると保険料が割安です。終身保険は一生涯保障が続きますが、定期保険と比べると保険料が割高になります。

◎持病がある人の保険
過去に入院や手術をした人や、持病がある人は保険の加入が難しくなります。そのような人を対象とした保険に、引受基準緩和型医療保険や無選択型医療保険があります。引受基準緩和型医療保険は加入するときの持病や過去の入院・手術歴の告知が緩やかな保険です。無選択型医療保険は加入時に告知が必要ない保険です。一般的な医療保険と比べると保険料が割高になります。

◎貯蓄型の保険
貯蓄型の保険とは、突然のけがや病気に備えながら将来のために貯蓄ができる保険のことです。低解約返戻金型終身保険や養老保険、学資保険などがあります。ただ一般的な保険と比べると保険料が割高になります。

◎女性のための保険
一般的な保障のほか、乳がんなどの女性特有の病気に手厚い保障をする保険です。基本的には医療保険に女性疾病特約をつけるという形になります。

まとめ

今回は高額医療費制度と医療保険について見てきましたが、高額医療費制度があっても医療保険は加入しておいた方がさらに安心できそうですね。健康だから一般的な医療保険、持病があるからそれに対応した保険、女性だから女性向けの保険、家族がいるから将来に備えて貯蓄型保険…など、それぞれ自分に合った民間の医療保険を選んでみると良いでしょう。