高齢者向けの保険とは

超高齢化社会を迎えているこの日本では、70代・80代でも元気に生活されている方は大勢いらっしゃいます。しかし「今後病気になったタイミングでかかってくる医療費がやはり不安」「いざという時のための保険はどうなんだろう」と気になっている方も大勢いると思います。年をとると、病気だけではなく骨折等怪我の危険も高まってくるため余計に心配してしまいますし、持病のせいで保険加入を迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな不安を少しでも解消すべく、高齢者の保険ってどういうもの?といった高齢者保険の内容について学んでいきましょう。
「定期保険が満期になった」「医療保険には今まで入っていなかったけど、これからの病気や怪我が不安」「そもそも今入っている保険で大丈夫なものか」「高齢な状態のこれからの人生に保険が必要なのか」など、高齢になっても保険について気になることは数多くあるのではないでしょうか。ここでは高齢者が気にすべき保険はそもそもどういうものがあるのかを紹介していきます。
死亡保険について
死亡保険を契約する目的は、年齢とともに変わってきます。
若い頃であれば子供の教育費や養育費を準備する必要性がありますが、高齢になるにつれ子供が独立していくことになるのでそういった費用は必要無くなっていきます。
高齢者がこれから死亡保険を検討する時は、「誰のために」「なんのために」契約するのか? が重要な点となります。
若い頃は、万が一の際に残された家族が生活に困ることが無いようにするために保険に入っていたという方も多いと思いますが、高齢になるにつれ、自分が今後どのように生きていくのかと考えた際、保険料を支払い続けるよりこれからの生活や余暇の資金として貯蓄しておくといった考え方もあります。
高齢者の死亡保険が必要になる時はどういうときなのか?ですが、死と向き合い、人生の最期に向けて自分らしい人生を送り家族に迷惑をかけないように、「遺産相続」、「葬式」、「お墓の手配」等を生前にしておく、「終活」という文字を目にする機会が増えました。
死亡保険があれば、残された家族にとっても金銭面の負担を減らし故人の遺志を叶えやすくなります。
また、夫婦で年金をもらっている世帯の場合では、配偶者がお亡くなりになると世帯で受け取る年金額は少なくなるため、そのような状況になったとしても、今までの預貯金や年金額でカバーできないようであれば死亡保険でお金を残しておくことも考えた方がよいかもしれません。
基本的にはこのような、葬儀資金や配偶者・家族の生活資金を賄うものとして、死亡保険を検討するのがよいでしょう。
医療保険・がん保険について
医療保険やがん保険は、病気やケガをした際に、公的医療保険制度で賄いきれない治療費を補うためだけではなく、病気やケガで働けなくなったときの生活費を補うという目的で加入する方もいます。 どのような区分があるのかというと
- 保障期間(終身、定期)
- 貯蓄性(掛け捨て、定期)
- 対象(引受基準緩和型、女性専用)
他の保険商品と同じように、医療保険にも一定期間で祝い金などが支払われるものや、保険料の一部が返ってくるものがあります。シンプルなわかりやすい医療保険のほかに、対象を絞った商品(高齢者は特に多いですが、「健康が気になる人向け」や女性固有の病気を手厚く保障するなど)が存在しています。
医療保険には色々な保障があり、これまでは入院給付金を中心に手術給付金などの保障で医療費を賄っていました。1回の入院日数が定められている入院給付金は、入院日数が短期化していることもあり、60日程度で設定するケースや一時金で対応するケースも出てきています。ほかにも、特約を付与することで商品をニーズに合わせて設計できる商品も出てきています。 医療保険は主契約となる保障だけでなく、特約をつけることで様々な保障を増やすことが可能です。
たとえば、
- 先進医療特約:厚生労働大臣から承認を得た高度な医療技術を用いた治療(先進医療)を受けた場合の保障。
- がん診断一時金特約:がんと診断された場合に一時金が支払われる保障
- 三大疾病特約:がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)で、所定の要件を満たしている場合に一時金が支払われる保障。
- 女性疾病入院特約:女性特有の病気で入院した場合、通常の入院時に支払われる給付金に上乗せされる保障。
- 通院給付特約:入院給付金が支払われる入院を経て退院した後、通院した場合に給付金が支払われる保障。
- 死亡保障の特約:死亡した際の保障。
医療保険の特約の一部で、医療保険につけることができる特約は多岐に渡り、最近は介護関連の保障なども出てきています。
主に医療費に関連するものを補う医療保険ですが、各生命保険会社で商品特性にかなり違いがあり、どこも同じようなものとは考えない方がいいでしょう。
高齢者は若い頃のように「家族のために大きな保障を」と考える必要性が少なくなっている分、自分らしく生きていくことを考える時間があります。病気になった時に困らない保障、万が一の際に家族が困らない保障など、自分にどのような保障が必要そうかを考えていくことが大切です。不安のない毎日を暮らしていくために、自分に合った保険を活用していきましょう。