高齢者にも医療保険は必要か?その是非について考えていきましょう!

若い時と比べると高齢者は体調を崩しやすく、また小さな病気やケガがきっかけで入院が必要になってしまうケースが多くなります。
そんな時の備えとして医療保険がありますが、今回は高齢者の方々が医療保険に加入する必要性があるのかどうかについて考えていきたいと思います。
ご自身の今後の医療費負担が心配な人だけでなく、ご年配の親を持つ人もぜひ参考にしてみてください
まず高齢者医療制度についてあらためて把握しておきましょう!
高齢者は入院のリスクが他の世代と比べて高くなりますが、日本は高齢者医療制度というものがあり、公的な医療制度が手厚いため、実は医療費の自己負担はそんなに高くならないことが多いです。
高齢者医療制度は、原則65歳以上の人が対象となっており、仕事を引退して収入が少なくなった世代でも、安心して医療を受けることができることを目的として設置されています。
医療費の自己負担が65歳~74歳は2割、75歳以上の高齢者は1割と、それぞれ現役世代の3割負担よりも軽い自己負担で医療を受けることができます。ただし、いずれの高齢者でも現役並みの所得がある人は3割負担となるので留意しておきましょう。
高齢者でも医療保険に加入できるのでしょうか?そのときの注意点は?
もちろん、高齢者となっても医療保険に加入することができます。ですが、注意も必要です。
それは、若い人が払う保険料と比べると、毎月支払わなければならない料金負担がかなり高額になってしまうという点です。これは、医療保険が保険料の総額と保険金の総額が同じくらいになるよう、収支相当の原則に基づいているためです。
例えば、30歳の人が終身保険に加入した場合は、数十年もの長い間保険料を払うことになるので、保険会社は安定した運用益を見込むことができるので、保険料を安く設定できます。
しかし、例えば、75歳の人が加入する場合、平均寿命まで生きるとしても、保険会社は加入者から約10年分しか保険料を受け取ることができません。
さらに高齢者は若い人よりもケガや病気にかかりやすいため、高齢者の保険料を若い人よりも高く設定しなければ収支が合わなくなってしまいます。
医療保険が必要な高齢者とは?保障以外にもメリットがあります!
先に述べた通り高齢者の場合、保険料は若い人よりも高くなってしまいますが、それでも医療保険に加入することで得ることのメリットはあります。
それは、仕事の引退による収入の減少を保険でカバーすることもできることです。日本の高齢者の医療保険制度は手厚いですが、それでもカバーされない支払いが多くあります。
例えば、通院時は交通費や、入院中の食事代、個室の差額ベッド代が必要になります。また、高度な技術が必要な先進医療は一般的な治療よりも高くなりますが、公的医療保険では対象となりません。
しかし、医療保険に加入しておくことで、こうした公的医療保険外の出費もカバーすることができます。特に保険適用外の治療が必要なってくる場合や、入院する際は個室が良いなどのこだわりがある人は医療保険への加入することでメリットを得ることが可能です。
高齢者に医療保険が必要ないというケースについて考えてみましょう!
一方で、医療保険が必要ないと言える高齢者の方々もいます。
それは、例えば、現在も仕事をしていて十分な所得がある人、またはすでに仕事は引退していても、財産・貯蓄が充実している人です。このような場合、手術や入院などがあっても、ある程度の医療費を出すことができるため、あえて医療保険に入る必要はないかもしれません。
高齢者が医療保険を選ぶ際のポイントとはどんなことがあるのでしょうか?
高齢者が医療保険に加入する際の大事なポイントは、保険の加入や保障の制限がないかどうか、保障内容と保険料のバランスをしっかり考えておくことです。
保証内容が手薄なのに保険料が高いのはもちろん好ましくないですが、例えば、大病や大ケガによる長期入院が心配な場合などの備えにもしっかり対応できる保険内容かどうかもチェックすることが重要です。
特に公的医療保険の適用外の項目についても、しっかりとカバーされているものを選びましょう。また、その際は保険料の負担額をしっかり計算して無理なく支払い続けられるものを選ぶことが大切です。
やはり病気にかかりやすい高齢者は医療保険が安心な備えとなる!
さて、今回は高齢者に焦点を当てながら医療保険の必要有無を考えてきました。
高齢者は、若い世代と比べるとケガや病気にかかる確率や死亡率が高くなることは仕方のないことです。
公的医療保険でカバーできる場合もありますが、それだけではカバーしきれない支払いはたくさんあります。経済的な負担を減らして、安心して入院や治療を受けるためにも医療保険を検討してみる価値はあるでしょう!