全国共済お役立ちコラム

20代の病気のリスクとは?:女性編

2021-1-3

女性にとって20代というと、前半であっても「〇歳までに結婚したい」や、「妊娠・出産」の事、その他の将来像についても考え始める人が多い年代ではないでしょうか。そして、女性ならではの体のトラブルについても悩む機会が多くなる事でしょう。
では、20代女性に起こる病気には、どのようなものがあげられるのでしょうか。
20代でパートナーと一緒になりたい方や子供を考えている方、また働いてキャリアを積みたいと考えている方も、自身の体に起こり得るリスクについてしっかりと把握しておきましょう。

平均的な女性の結婚年齢、出産年齢は?

昔と異なり、今は女性も積極的に働き、キャリアを積む人が多くなってきている時代ではありますが、実際の平均結婚年齢や出産年齢はどのくらいなのでしょうか?

晩婚化が進んではいるものの、平均はまだ20代。
厚生労働省、平成29年「平均初婚年齢の年次推移」の妻のデータを見てみると、

【妻の平均婚姻年齢】
◇平成7年:26.3歳
◇平成17年:28.0歳
◇平成25年:29.3歳
◇平成26年:29.4歳
◇平成27年:29.4歳
◇平成28年:29.4歳
◇平成29年:29.4歳

となっており、昔に比べれば徐々に婚姻年齢は上がってきているものの、直近4年間では変わらず29.4歳に留まっていて、まだ20代のうちに結婚する方が多いようです。

実際に、約640人の女性に「理想結婚年齢」の調査を行った所、【20~24歳】の回答者は、「20代で結婚」と答えた方が全体の約70%、そして【25~29歳】の回答者は、「20代で結婚」と回答した方は前者の1/2まで減少したものの、それでも全体の35%を占めており、その他回答に比べて一番多い結果となりました。

◎第一子出産年齢平均は、30歳
平成29年の、厚生労働省の「母の年齢・出生順位別にみた出生数の年次推移」のデータより、母の第一子出産年齢平均は、平成26年までは「25~29歳」の層が最も多く、次に「30~34歳」の層が続いていましたが、平成27年からは逆転している傾向にあります。
平成29年のデータを見てみると、

【平成29年の母の年齢別第一子出生数】

◇19歳以下:8,690
◇20~24歳:52,981
◇25~29歳:141,038
◇30~34歳:142,368
◇35~39歳:74,003
◇40~44歳:19,455
◇45歳以上:722

と「30~34歳」の層が最も多い事がわかります。平均出産年齢は30.7歳となっていますので、多くの方がギリギリ20代で妊娠しているという事になります

◎20代女性の未婚率は半数以上
実は日本の未婚率は年々上がってきており、国税調査によると、2015年の「25~29歳」女性の未婚率は61.3%にも及ぶことがわかっています。
昔と違い、現在は多様な生き方が受け入れられるようになってきた為だと考えられます。

20代女性の生命保険加入率

さて、結婚・出産・更なるキャリアアップなど、人生における大きなイベントが起こりやすい20代。そんな年代だからこそ、万が一の為に生命保険の加入を検討する人も多く、加入率は半数を超えています。

【20代の保険加入率】
◇男性:58.5%
◇女性:59.9%

しかし上の数値を見るとわかる通り、実は女性は男性よりも10%程高い状況となっています。この違いに理由はあるのでしょうか。

20代女性に多い死因とは。

1つ前のコラムで述べましたが、平成29年の厚生労働省のデータより、20代男性に多い死因は以下のようになっておりました。

◆男性
【平成29年の死因:20~24歳】
1位:自殺(774人)
2位:不慮の事故(272人)
3位:悪性新生物(ガン)(113人)
4位:心疾患(67人)
5位:先天奇形等(16人)

【平成29年の死因:25~29歳】
1位:自殺(754人)
2位:不慮の事故(223人)
3位:悪性新生物(ガン)(135人)
4位:心疾患(100人)
5位:脳血管疾患(31人)

では、女性はどうでしょうか。

◆女性
【平成29年の死因:20~24歳】
1位:自殺(283人)
2位:悪性新生物(ガン)(61人)
3位:不慮の事故(60人)
4位:心疾患(24人)
5位:脳血管疾患(8人)

【平成29年の死因:25~29歳】
1位:自殺(294人)
2位:悪性新生物(ガン)(134人)
3位:不慮の事故(62人)
4位:心疾患(32人)
5位:脳血管疾患(20人)

なんと、男性では3番目だった悪性新生物(ガン)が、女性では2番目にあがっています

そして、同じ平成29年の20代の男女死亡数は、

【平成29年の死亡数:20~24歳】
男性:1,468
女性:556

【平成29年の死亡数:25~29歳】
男性:1,547
女性:729

となりますので、悪性新生物で考えると、20代の前半では男性は全体の約7.7%、女性は全体の約11%。そして20代の後半では男性は全体の約8.7%、女性は全体のなんと約18.4%も占めている事になるのです

20代にかかりやすい病気とは?:女性編

では、20代女性がかかりやすい病気を見ていきましょう。

◎乳がん・子宮がん
「ガンは40歳あたりから気にするもの」という印象がありますが、実は女性特有の乳がんや子宮がんに関しては年々低年齢化が進んでおり、20代でも十分にリスクがある病気です。罹患率を見てみても、20歳未満ではほぼ0に近かったものが、20~24歳の層で上がり始め、25~29歳の間では急激な増加がみられます。
乳がんに関しては、日本人女性がかかるがんのなかで最も多いのが現状です。自覚症状が表れにくく、がん検診や人間ドックでたまたま見つかるというケースが多い為、定期的な健康診断が必要となってきます。
また、子宮がんの中でも20代で急増しているのが子宮頸がんですが、こちらも初期では自覚症状がないため、年に1回の検診がすすめられています。

◎精神疾患
1つ前のコラムにて、男性の統合失調症について述べましたが、女性も同じようにリスクがあります。男性よりも発症年齢はやや遅めにはなりますが、発症の頻度は女性も同じように高いです。
就職や独立、結婚などが引き金となって起こり、幻覚や幻聴や、生活に支障をきたす統合失調症は精神疾患の中の1つにすぎませんが、統合失調症は20代でも発症率が低くはない事、また治療に長い時間がかかり仕事に支障が出てくる事は頭に入れておかなければなりません。

まとめ

死因から考えると、男性・女性共に若くして精神疾患を抱えてしまう事が他人事ではないという事がわかります。更に、20代の女性でもがんは身近な存在であることを覚えておかなければなりません。「若いから大丈夫」と思う前に、自身の今の健康状態や周囲環境を客観的に把握し、今後のリスクを考える事が大切です。