全国共済お役立ちコラム

30代、病気のリスクは?:女性編

2021-2-3

30代女性というと、さらなるキャリアアップを目指す方や、キャリアチェンジを考える方、そして結婚や初めての出産、2人目の妊娠――など、仕事でも私生活でも、大きな変化が起こる年になります。
その中で、30代に入ってから「なんだか調子が悪いな」「疲れやすくなったな」と感じる方、意外と多いのではないかと思います。
では、いったい20代から30代で、体にどのような変化が起こるのでしょうか?さらに、30代女性にふりかかるリスクのある病気について見ていきましょう。

20代から30代にかけて、女性の体に変化!?

20代のうち、特に前半は疲れや病気とは無縁に感じ、甘い物やカロリーの高いものをいくら食べても、また生活習慣が乱れるなど多少無理をしても疲れを感じにくく、体調を崩す事なども少ないかと思います。

しかし30代になってからというもの、生活習慣も20代の時よりも改善し、高カロリーのものをできるだけ控えるようにしているにも関わらず、なんとなく不調を感じる機会が多くなったという方、意外と多いのではないでしょうか。

大手生活用品メーカー「LION」が実施した、30代の女性に「20代前半と比べて体に変化を感じるか」というアンケートによると、実際に約86%の人が「はい」と答える結果となりました

その「変化」について、

●疲れが取れるまで時間がかかる
●食事に気を付けていても太りやすい
●傷ができたら治るまでに時間がかかる
●徹夜ができない

等の回答がありました。

その他にも30代女性が感じる、よくある代表的な症状としては、

●肩こり・腰痛
●肌荒れ
●冷え性
●だるさ
●疲れやすい

等があげられるでしょう。
では実際、20代と30代の体にはどのような変化が起こっているのでしょうか?

実は、体自体の変化は少ない!?

人の体は加齢と共に変化していくのが自然と言えます。
しかし、実は20代前半と30代前半では、「体そのものに関しては」そこまで大きな違いはないのです

◎原因は「取り巻く環境」!?
そう、原因は30代特有の“環境変化“による「ストレス」です

20代前半の時は自分の事について考え、自分の為に生活ができましたが、30代になるとそうはいきません。

仕事でも、より責任のあるポジションにつき、周囲への配慮や広い視野が必要となる場面も多くなってくるでしょう。また、新たにキャリアを築く為に転職をしても、30代ともなればそれなりのスキルや仕事ぶりを期待されますので、「受け身」ではいられなくなります。

プライベートでは、「結婚」や「未婚」、「出産」や「子育て」などで、今まで付き合ってきた友人や周囲の人とのライフステージや価値観の違いが顕著に出てくる、とてもセンシティブな年代になり、それに頭を悩ませてしまう人も少なくないでしょう。

また、仕事や私生活共に忙しく、不規則な生活、つまり、睡眠不足や食生活の偏り、運動不足になる場合も少なくなく、今度はそれが原因で公私生活に影響が出てくるなど、悪循環に陥る可能性もあります

これらの精神的・身体的ストレスが、体の様々な所に不調を感じさせるのです。

「未病」と呼ばれる“なんとなくの不調”はつい見過ごしがちですが、「もう若くないし、仕方ないか」という考えで放っておくと、大きな病気にも気付けない場合があります
今一度しっかりと自分の体と向き合い、「病気」について考えてみましょう。

死因から見る、かかりやすい病:女性編

30代女性の生命保険加入率が82.8%であるように、30代から「万が一」の為に備えている人は全体の8割を超えています。
では、実際に30代でどのようなリスクが考えられるのでしょうか。

厚生労働省の平成29年「死因順位別死亡数・死亡率,性・年齢別」の30代女性のデータを見てみると、以下のようになっています。

【30~34歳(女性):死因】
1位:悪性新生物(ガン)(359人)
2位:自殺(335人)
3位:不慮の事故(59人)
4位:心疾患(53人)
5位:脳血管疾患(42人)

【35~39歳(女性):死因】
1位:悪性新生物(ガン)(676人)
2位:自殺(334人)
3位:心疾患(96人)
4位:脳血管疾患(73人)
5位:不慮の事故(69人)

対して男性は以下のような結果になっています。

【30~34歳(男性):死因】
1位:自殺(943人)
2位:悪性新生物(ガン)(257人)
3位:不慮の事故(203人)
4位:心疾患(184人)
5位:脳血管疾患(85人)

【35~39歳(男性):死因】
1位:自殺(1038人)
2位:悪性新生物(ガン)(469人)
3位:心疾患(331人)
4位:不慮の事故(278人)
5位:脳血管疾患(204人)

男女の項目順位は大まかにはほぼ変わらないものの、ここで驚くことは、女性の場合「悪性新生物(ガン)」が1位にあがっているということです
一見、男性でも女性と同じ位の数に思えますが、全体死亡数からの「悪性新生物(ガン)の」比率を考えると、

【悪性新生物の割合】
◆男性:全体死亡数の約14%
◆女性:全体死亡数の約37%

と、女性の「悪性新生物(ガン)」による死亡の割合が男性に比べて極端に多い事がわかります
2位である「自殺」に関しては、割合で見れば男性よりも女性の方が割合が少なかったのですが、それでも1年間で669人もの自殺者がでました。

◎精神疾患と悪性新生物(ガン)

【精神疾患】
精神的・身体的ストレスが重なると、脳の機能障害が起き「うつ病」を発症します。うつ病にかかると不眠・食欲不振や何にも関心が持てない・楽しめない等の症状がでます。また、日常に一生懸命で自身がストレスを抱えている事に気付かず、無理を続けてしまうタイプの人は悪化しやすいです。
また、30代の入院原因で一番多い病気が「統合失調症」です。妄想や幻覚、思考障害が症状としてあげられ、統合失調症もストレスが発症要因の1つとされています。
30代女性のように何かとストレスの多い環境は、発症するリスクも高くなります。「大したことはない」と考えず自身の心身状態を把握し、早期の発見・治療が肝心となります

【ガン】
女性特有のガンとして「子宮頸ガン」と「乳ガン」があげられます。子宮頸ガンは、20歳代後半から急増し、30歳代後半まで増加する傾向にあります。また、乳ガンのリスクは20代から徐々に増え始めますが、30歳代に急激に増加するのが特徴です。どちらも初期症状がなく、気付きにくいガンになりますが、早期発見での生存率が高いガンの為、「自分は大丈夫」と思わず定期的な検診を受ける事をおすすめします。

まとめ

30代と一括りで言っても、女性と男性でリスクが違ってきます。女性特有の病気のリスクをよく理解した上で、定期的な検査を受ける事が大切です。また、公私共に忙しく、自分の事を後回しにしてしまう年代でもありますので、自身の状態を把握する時間を意識的にとる事も大切になってくるでしょう。