全国共済お役立ちコラム

40代、病気に対する意識やリスクは?:男性編

2021-3-2

30代から40代にあがった事を機に、気になり出すのが自分自身の健康面。
30代では家庭や仕事の忙しさに追われ、自分の体について後回しにしてきた方も、40歳を迎えた事で、改めて自分自身と向き合い、体に対する意識が高くなった方も多いのではないでしょうか。
では、そんな加齢による健康面への不安の増加に比例して、実際に40代に入り病気のリスクはあがるのでしょうか。また、40代がかかる恐れのある、命に関わる病気には何があげられるのでしょうか。

40代、体への意識の変化

30代では会社の為、家族の為と、忙しい毎日を送り、「大丈夫」と思いながら体調の変化に目をそらしてきた方でも、40代を節目に自分自身とよく向き合い、健康・体について自分事として考え始める方は多いのではないでしょうか。

実際にその意識変化がわかるデータがいくつか出ています。
厚生労働省の令和元年度「世帯員の健康状況」より、男性の健康食品(サプリメントのような)の摂取状況データを見てみると、

【健康食品(サプリメントのような)の摂取状況(男性):令和元年度】
◆20代:15.4%
◆30代:20.3%
◆40代:22.4%

と、30代とはそこまで差はないものの、20代からの摂取率を見ると40代になるに従い上がっている事がわかります。少しでも体に良さそうなものを摂り入れようという意識が表れています

同様に、人間ドックを受けた人の割合を見てみましょう。

【健診(健康診断や健康診査)や人間ドックの受診状況(男性):令和元年度】
◆20代:70.9%
◆30代:77.9%
◆40代:81.4%

こちらも、20代からの割合を見てみると40代が一番高い受診率となっており、やはり健康面でのリスクに対する意識が高まっている事が読み取れます。

次に、生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」による、任意保険の加入率のデータです。

【年齢別の生命保険加入率(男性):令和元年度】
◆20代:58.5%
◆30代:82.4%
◆40代:91.0%

民間保険はあくまで「任意」であり、病気や死亡など被保険者に万が一の事があった際に保障金を受け取る事ができるもので、逆を言えば「病気のリスクはない!」と断言できるのであれば民間保険に入る必要はありません。
しかし加入できるか否かを自分自身で決められるのにも関わらず、40代男性では9割もの人が加入しているという事は、それだけ将来の自分の健康について考えている(不安がある)という事になります。
更に、20代・30代とくらべて40代では顕著に高くなっている事がわかります

実際の通院数・入院数は年齢で変化あり?

では実際に、通院数や入院数に関して年齢による変化はあるのでしょうか。

以下は、厚生労働省の平成29年度「患者調査の概況」による施設(病院・一般診療科)利用患者数データを参考に、年代別の人口から割合を出したものです。

【病院・一般診療の外来患者数の割合(対人口):平成29年度】
◆20代:1.85%(231,800人)
◆30代:2.46%(368,800人)
◆40代:2.69%(509,200人)

【病院・一般診療の入院患者数の割合(対人口):平成29年度】
◆20代:0.20%(24,600人)
◆30代:0.29%(44,000人)
◆40代:0.36%(67,100人)

少子化が進んでいる今、低い年齢層よりも高い年齢層の方が患者数が多いという事は想像に難くありませんが、人口に対する割合を見ても、年齢が高くなるに従い通院・入院共にリスクが上がっているのがわかります

40代の死因から見る、死亡リスクの高い病気

通院や入院の割合を見て、年齢を重ねれば重ねるほど病気等のリスクが高くなる事がわかりました。では、実際に40代男性に降りかかる恐れのある、死亡リスクの高い病気として何が考えられるでしょうか。死因順位から見てみましょう。

厚生労働省の令和元年「死因順位別死亡数・死亡率,性・年齢別」より、40代男性の死因順位は以下の通りです。

【40代の死因順位(男性):令和元年度】

※()内は、死亡数、死亡率(人口10万人対)

40代前半では、30代や20代と同じように「自殺」が1位に。続いて三大疾病である「ガン・心疾患・脳卒中」、そして5位に「不慮の事故」となりました。
40代後半は、前半と比較して全体的にリスクが高くなっています。1位である「ガン」に関しては40代前半と比較して21.1%、続く「心疾患」では12.4%、次いで「自殺」が1.0%、「脳血管疾患」8.1%の増加が見られました。
一見3位に“落ちた”とみられる自殺も、実は割合では高くなっている事がわかります。更に、前半までは5位内に入っていなかった「肝疾患」が、40代後半ではランクインしていました。

◎三大疾病リスク、後半に入ると肝疾患リスクも。
このように、40代男性における気を付けるべき大きな病気は、「三大疾病」そして「肝疾患」がだとわかります。

◇三大疾病
【ガン】
私たちの体を構成している何十兆個の細胞のうち一部が、免疫力の低下や遺伝子の制御の異常など様々な理由で勝手に増殖し続け、体にダメージを与える病気です。
40代男性では、「胃・大腸」などの消化器系のガンの死亡が多くを占めますが、肺ガンにおける死亡も、前半から後半にかけて増加します。

【心疾患】
心臓は、ポンプのように私たちの体に血液を送る役割をしていますが、動脈硬化等により心筋(心臓を動かしている筋肉)に血液が送られなくなり、心機能が停止してしまう病気です。
心疾患の原因である動脈硬化は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病がもたらします。

【脳血管疾患】
脳の血管が詰まり血液の流れが遮断される「脳梗塞」、脳の血管が出血する「脳出血」、動脈瘤の壁が破れて出血する「くも膜下出血」と、大きく分けて3種類がありますが、なかでも40代に多いのは脳出血になります。
長く放置されていた高血圧により血管が脆くなることが原因としてあげられます。

◇肝疾患
肝疾患には、肝炎ウイルスの感染等で起きる「急性肝炎」、肝炎が半年以上にわたって継続的に起こる「慢性肝炎」、肝臓がダメージ・修復を繰り返す事により肝臓表面が豹変する「肝硬変」、肝臓内に脂肪が異常に蓄積した「脂肪肝」がありますが、なかでも肝疾患で一番多いのが慢性肝炎です。
原因は、B型またはC型肝炎ウイルスへの感染がほとんどです。

まとめ

40代といっても人生のまだまだ半分くらいでしかありません。その残りの人生をなるべく病気と共に過ごさぬよう、年齢による病気リスクを把握し、定期的な健康診断や、生活習慣の改善など、今出来る予防を早い段階で始めて行きましょう。