40代女性の病気、意識はあっても予防率は低い?

忙しい30代があっという間に過ぎ、気が付けばいよいよ40代へ。30代よりも生活が落ち着いてきた人もそうでない人も、40代になった事を機に、少しずつ「自分自身の体」について気になってくる方が多くなると思います。
しかし実際に、意識をしていてもなかなか「予防」とまで行動する時間がないという方も多いのではないでしょうか。
あの時あぁしていれば…と後悔しない為にも、今のうちに年齢によるリスクの高い病気を把握し、行動することが大切です。
40代女性、体への意識の変化
40代というと、20~30代で結婚・出産という大きなライフイベントが訪れた方も、30代で更なるキャリアアップに向けて飛躍したという方も、家庭そして仕事の忙しさに少し慣れ、落ち着いてくる時期ではないでしょうか。
もちろん生活自体は30代と全然変わっていないという方も多くいるかもしれません。しかし、30代では自分よりも周りを優先する事が多かった方も、40代になり、自分自身を見直す機会も多くなるでしょう。そして、一番意識の変化があるのが「健康面」ではないでしょうか。
そんな40代女性の体への意識変化は、3つのデータから読み取れます。今回は男性のデータとも比較して見てみましょう。
以下、厚生労働省の令和元年度「世帯員の健康状況」、健康食品(サプリメント等)の摂取状況データより。
【健康食品(サプリメント等)の摂取状況:令和元年度】
20代から40代の女性の摂取率を見ると、年齢が上がるに従い高くなっている事がわかります。
また男性と比べても、全ての年齢層において女性の方が摂取率が高いという結果がでました。健康面と同様に、40代は見た目にも徐々に変化が出始めてくる為、美容面を意識しての摂取も多いと考えられます。
次に、令和元年度における、健診(健康診断や健康診査)や人間ドックの受診状況を見てみましょう。
【健診(健康診断や健康診査)や人間ドックの受診状況:令和元年度】
女性のデータを見ると、20代よりも30代の受診率が落ちてはいるものの、40代に入るとやはり一番高くなっている事がわかります。
しかし、サプリメントの摂取状況とは反対に、健康診断等の受診率に関しては男性の方が高く、女性の方が低いという結果が出ました。
日本も近年、男女平等についての意識が高くなってきてはいるものの、やはり未だに男性と女性の間での仕事・家事・育児のバランスは偏りがあるのが現実です。特に30代からの女性は自分の為に時間を費やす事が難しい事や、育児による短時間勤務パートで健康診断を会社で受ける機会がない人が一定数いるという事もあり、健康診断に目を向けていない人がまだまだ多いという現状が、このデータにも表れています。
最後に、生命保険への加入率を見てみしょう。
以下、生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」による、任意保険の加入率のデータです。
【年齢別の生命保険加入率:令和元年度】
女性の生命保険加入率は、20代から30代で急激に上がり、更に30代から40代にかけても大幅に上がっている事がわかります。
しかし、20代では男性よりも1.4%上回っていた女性の加入率も、30代では0.4%まで縮み、40代では逆転して男性の方が2%程高い状況になっているのです。
これらの3つの女性データを見てもわかるとおり、年齢を重ねての健康リスクへの意識は高まっているものの、健康診断受診率等を見ても、実際にそのリスクに対する行動を起こしている人は男性よりも低いことがわかります。
しかし、事実として20代よりも30代、30代よりも40代が通院・入院率が高くなりますので(=病気等のリスクが上がる)、自身の年齢から考えられる病気リスクを把握しておくことが大切です。
40代女性の死因から見る、死亡リスクの高い病気
では次に、40代女性の死因からより危機感を持っておくべきリスクの高い病気を見てみましょう。
以下、厚生労働省の令和元年度「死因順位別死亡数・死亡率,性・年齢別」より。
【40代の死因順位(女性):令和元年度】
※()内は、死亡数、死亡率(人口10万人対)
男性のデータとも比較してみましょう。
【40代の死因順位(男性):令和元年度】
※()内は、死亡数、死亡率(人口10万人対)
男性の方が死亡率の高い病気が多い中、女性の死亡率が顕著に高い病気が「悪性新生物(ガン)」なのです。
三大疾病の中でも特に注意したい、悪性新生物
ガンは30代の後半ごろからそのリスクはみるみる上がっていきます。ガンの中でも40代女性は、「乳ガン」への罹患が多くを占め、40代後半でピークを迎えます。そして死亡率が圧倒的に高いのもこの「乳ガン」で、罹患率同様、40代後半で最も高くなります。
胃・大腸などの消化器系のガンも乳ガンに続く死亡率となっています。
乳ガンの原因は、
・閉経年齢が遅い
・出産経験がない
・授乳経験がない
・閉経後の肥満、飲酒の習慣
など様々ですが、生活習慣を正すのはもちろんの事、早期発見の為の定期的な検診がなによりも大切になってきます。
また、消化器系のガンの原因は、
・高脂肪食や肥満
・運動不足
・過度な飲酒や喫煙
・遺伝
などですが、こちらは定期的な健康診断での早期発見に加え、生活習慣の改善で大幅なリスクの減少が期待できるのです。
まとめ
なにかと忙しく「わかっていても…」と月日過ぎてしまうものですが、将来、一生分の後悔をしない為にも、定期的に自分を優先的に考え、病気予防への行動をすることが大切です。