全国共済お役立ちコラム

三大疾病の経済的リスクとは?治療費にいくらくらいかかるのか解説!

2022-7-5

三大疾病とは、「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中」の3つの病気の総称です。これらの病気は、長く日本人の死因の上位を占めており生命保険においても三大疾病を保障する商品が売られてきました。
保険を検討していて「三大疾病の保障は必要なの?」や「どういうときに三大疾病の保障を受けられるの?」などの疑問があるかと思います。
ここでは、そんな三大疾病について基礎知識やどれくらいの治療費がかかるのかなどを詳しく解説していきたいと思います。三大疾病による治療費や介護などのリスクに上手に備えられるよう、ぜひお役立てください。

三大疾病とは?

三大疾病とは、日本人の死因の上位にある「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中」の3つの病気の総称です。それぞれの病気がどのようなものであるか簡単に説明していきます。

▶がん(悪性新生物)
がんは、体の臓器や組織に悪性の腫瘍ができる病気で、悪性新生物や悪性腫瘍という名称で呼ばれることもあります。人間の体は、数十兆個の細胞からできており、通常正常な細胞は、増殖・分裂し、新たな細胞を作ります。しかし、がん細胞は無秩序に増えたり、他の場所に転移したりして、何年もかけて体に害を与える悪性腫瘍を作ります。これが『がん』です。
がんは胃や肝臓、すい臓などの内臓のほか、血液や骨、皮膚などあらゆる場所に発生する可能性があります。また、最初にできた部位の名前をとって、胃がん、肝臓がんなどと名称が付いています。

▶急性心筋梗塞
急性心筋梗塞は、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が急につまって心筋に血液が届かなくなり、心筋の細胞が壊れていく(壊死する)病気です。心臓は、全身に血液(酸素と栄養)を送るポンプの働きをしています。そのためには、心臓の筋肉にも酸素と栄養(血液)が必要になります。その血液を供給する管が『冠動脈』です
冠動脈が急に詰まることで、血液(酸素と栄養)を失った心筋が徐々に弱っていき、最終的に心臓の筋肉が死んでしまいます。

▶脳卒中
脳卒中は、正式には「脳血管障害」といい、脳の血管に何らかの障害が起こって発病する病気の総称です。脳卒中にはいくつかの種類があります。大きくは、脳の血管が詰まる『脳梗塞』と、脳の血管が破れて出血する『脳出血』や『くも膜下出血』に分けられます。
いずれも脳の細胞が損傷するという点では同じで、現れる症状にあまり大きな違いはありません。しかし、壊死した部位によって現れる後遺症は変わってきます。
脳卒中の後遺症は脳性麻痺や言語障害、認知症など、そのほとんどが日常生活に支障をきたしてしまう恐れがあります。

【脳梗塞】
脳の血管がつまることにより脳への血流がとまり、酸素と栄養が行き渡らなくなるため脳細胞が死んでしまう病気です。知覚障害や運動障害、意識障害などいろいろな症状が出ます。
動脈硬化などにより血管が狭くなっていき、そこに血のかたまりがつまる脳血栓症や脳の血管に心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぐ脳塞栓症などがあります。

【脳出血】
高血圧が続くことなどで脳の中の血管が破れて出血する病気です。片麻痺、感覚障害などの症状がでます。重症だと意識障害、さらには死につながることがあります。

【くも膜下出血】
脳は、くも膜によりその表面を覆われています。そのくも膜と脳の間を走っている動脈にできたこぶ(動脈瘤)が、血圧が高くなったときなどに破れて出血し、くも膜と脳の間に広がっていく病気です。
突然猛烈な頭痛、吐き気、嘔吐といった症状がでて、多くはそのまま意識不明になります。出血が軽い場合、意識は回復しますが、出血量が多い場合や、血液が脳内に流れ込んだ場合は死亡することがあります。

三大疾病の治療費について

三大疾病になった場合の医療費がどれくらいになるかについて、紹介していきます。

▶疾患別通院・入院医療費の平均自己負担額(概算)※
胃がん:264,289円
気管支および肺がん:257,889円
乳がん:223,526円
急性心筋梗塞:639,380円
脳梗塞:405,119円
脳出血:579,612円

※自己負担額(概算)は、1入院費用の3割として計算した金額です。実際の自己負担額ではありませんので参考データとしてご覧ください。

がんの医療費として、胃がん、気管支および肺がん、乳がんの1入院あたりの費用は、自己負担額がだいたい25万円前後となっています。
急性心筋梗塞は約64万円、脳梗塞、脳出血はそれぞれ約41万円、約58万円です。

このような高額な医療費を支払った場合は「高額療養費制度」を利用することが可能です。
高額医療費制度は、保険適用の医療費が限度額を超えた場合に、超過分を年齢や所得に応じて免除される制度です。最終的な負担額としては1ヵ月8万円強くらいですむことになりますが、それなりの医療費がかかることは間違いありません。
高額医療費制度を利用した場合、通院・入院にかかる自己負担額は少なくなりますが、医療費とは別に、通院のための交通費、食費、日用品代などが必要となります。
つまり、医療費の相場+交通費や食費・日用品費でいくらかかるのかを考えなければいけません。
さらに再発や合併症が起こったり、退院後のリハビリがあるとそれらの費用もかかってきます。三大疾病についての備えを用意しておきたいところです。

まとめ

三大疾病の基礎知識や治療費がいくらかかるかを解説してきました。
三大疾病とは、「がん(悪性新生物)・心疾患(急性心筋梗塞)・脳卒中」の3つの病気の総称ですが、死につながる場合や、治療・介護などに多くのお金が必要になってくる場合があります。もちろん、一般の医療保険でも入院給付金や手術給付金が支払われますが、一層手厚い保障があったほうが安心といえるでしょう。