全国共済お役立ちコラム

三大疾病の年齢層別入院日数の比較!

2022-7-6

三大疾病とは、「がん(悪性新生物)・心疾患(急性心筋梗塞)・脳卒中」の3つの病気の総称です。
三大疾病は、長く日本人の死因の上位を占めている上に、治療費や介護費用が多くかかる傾向にあります。また、治療が長期間になることもあり、働けないことによる収入減少のリスクもあります。ある日突然、自分自身もしくはご家族が、罹るかもしれません。
ここでは、三大疾病について、どんな病気で、どのくらいの期間入院するのかを解説していきます。いざという時のためにも、基礎知識として参考にしてください。

三大疾病とは?

三大疾病とは、日本人の死因の上位にある「がん(悪性新生物)・心疾患(急性心筋梗塞)・脳卒中」の3つの病気のことです。それぞれの病気がどのようなものであるか簡単に説明します。

【がん(悪性新生物)】
がんは、体のなかで発生したがん細胞が体に害を与える病気です。
人間の体は約60兆個の細胞でできているといわれます。細胞は古くなると死滅しますが、同時に細胞分裂によって新しい細胞が生まれます。
その中で突然変異や何らかの原因でがん細胞が発生してしまうことがあります。
正常細胞は、体や周囲の状態に応じて、増えたり、増えることをやめたりします。
一方、がん細胞は、体や周囲の状況を無視して増え続けるので、周囲の大切な組織を圧迫したり、壊したり、機能障害を引き起こします。
がんは体のいろいろな組織にできるため、その発生組織により分類されています。

▶発生組織によるがんの分類
造血器にできるもの:血液をつくる造血組織にできるがんです。
白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などがあります。
上皮細胞にできるもの:体の表面を覆う表皮や内臓の粘膜をつくる上皮にできるがんです。
肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんなどがあります。
非上皮細胞にできるもの:内臓の内側にある平滑筋や筋肉などに発症するがんです。
骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫などがあります。

【心疾患(急性心筋梗塞)】
心疾患とは心臓に起こる病気の総称です。心疾患のなかでも深刻なのが「急性心筋梗塞」です。
急性心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液を供給している血管(冠動脈)が動脈硬化などにより狭くなり、血流が妨げられることにより、心臓の筋肉が血液不足になり、激しい発作(胸痛)が起こり、最終的に心臓が壊死してしまう病気です。
発作が治まった場合でも、心臓の細胞はほとんど再生しないため、心臓の収縮、拡張が弱くなったり、心拍のリズムが乱れやすくなったりするなどの後遺症が残ります。

【脳卒中】
脳卒中とは正式な病名ではなく、脳の血管の障害によって引き起こされる様々な病気(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)を総称した呼び方です。
片側の手足の麻痺やしびれ、呂律が回らない、激しい頭痛、意識の混濁等の症状が突然起こるのが特徴です。

▶脳梗塞
脳の血管がつまることにより脳への血流がとまり、酸素と栄養が行き渡らなくなるため脳細胞が死んでしまう病気です。知覚障害や運動障害、意識障害などいろいろな症状が出ます。
動脈硬化などにより血管が狭くなっていき、そこに血のかたまりがつまる脳血栓症や脳の血管に心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぐ脳塞栓症などがあります。

▶脳出血
高血圧が続くことなどで脳の中の血管が破れて出血する病気です。片麻痺、感覚障害などの症状がでます。重症だと意識障害、さらには死につながることがあります。

▶くも膜下出血
脳は、くも膜によりその表面を覆われています。そのくも膜と脳の間を走っている動脈にできたこぶ(動脈瘤)が、血圧が高くなったときなどに破れて出血し、くも膜と脳の間に広がっていく病気です。
突然猛烈な頭痛、吐き気、嘔吐といった症状がでて、多くはそのまま意識不明になります。出血が軽い場合、意識は回復しますが、出血量が多い場合や、血液が脳内に流れ込んだ場合は死亡することがあります。

|三大疾病の死亡リスク
がん(悪性新生物)、心疾患(急性心筋梗塞)、脳卒中(脳血管疾患)、これらの病気は、日本人の死亡原因の上位を占めており、実に、日本人の死因の52.3%がこの三大疾病によるものとなっています。

三大疾病の治療に関して

三大疾病は日本人の死因の上位に入る重大な病気ですが、治療も大変なのでしょうか?
治療にかかわる情報として入院日数と医療費の額について紹介します。

|三大疾病の入院日数
三大疾病になった場合に入院日数がどれくらいになるのかを、厚生労働省の患者調査の結果からみてみましょう。

▶三大疾病で入院した場合の入院日数
がん(悪性新生物):17.1日
心疾患:19.3日
脳血管疾患:78.2日

悪性新生物が17.1日、心疾患が19.3日で、どちらも3週間程度入院することになります。入院費用もそれなりにまとまった金額がかかってきそうです。
一方、脳卒中にあたる脳血管疾患は78.2日で3ヵ月という長い入院期間が必要となります。ここまでの長さになると、治療のための経済的な負担も相当重くなることが予想されます

|通院治療の割合
三大疾病にかかってしまった場合、退院すれば治療が完了とならずに、通院での治療が必要になるケースも多そうです。

【三大疾病の通治療の例】
がん:抗がん剤治療、放射線治療、検査等
心疾患:投薬、検査、経過観察等
脳血管疾患:投薬、検査、リハビリ等

通院率については、がんは57.0%、心疾患が69.1%と、高い割合で通院治療をしていることがわかります。
一方、脳血管疾患については、37.0%となっていますが、決して低い割合とは言えないでしょう。

|がん治療は外来(通院)中心へと移行
がんの場合、通院治療への移行が顕著になっています。
1999年では入院日数が40.1日であったのが、2011年には19.5日と大幅に短くなっています。
同時に、抗がん剤治療や放射線治療などを通院で行うケースが増えてきており、外来受療率が入院受療率を上回っています。

三大疾病については、入院だけではなく、通院による治療もあると考えておいた方が良さそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここでは、三大疾病の基礎知識やどのくらいの入院期間なのかを紹介してきました。
三大疾病とは、「がん(悪性新生物)・心疾患(急性心筋梗塞)・脳卒中」の3つの病気ですが、死につながる場合や、治療・介護などに多くのお金が必要になってくる場合があります。もちろん、一般の医療保険でも入院給付金や手術給付金が支払われますが、一層手厚い保障があったほうが安心といえるでしょう。