全国共済お役立ちコラム

三大疾病保険とは?保険で備えた方が良いのか

2020-11-8

「三大疾病」とは、日本人の死因の上位を占める「がん(悪性新生物)」、「心疾患」、「脳血管疾患」。この3つの病気の総称です。これらの三大疾病は、通常の医療保険でも保障されますが、三大疾病に備えるための「三大疾病保険」やがんに備えるための「がん保険」に加入することで、より手厚く備えることができます。保険を準備するときは、三大疾病になった場合に必要となる保障も押さえておきましょう。この記事では、三大疾病の説明とともに、三大疾病保険の仕組みについて解説します。保険の選び方の参考にしてください。

三大疾病保険とは?

ざっくり言うと、「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」のいずれかに罹患し、特定の状態になった場合に、一時金として「三大疾病給付金」が支払われ、治療費に充てることができるという保険です。三大疾病はがん・急性心筋梗塞・脳卒中は日本人の死因の50%を占める病気で、罹患すれば入院が長引いたり、継続治療が必要となる場合も多く、高額の医療費がかかること、生活への支障などに備えることを目的としている保険です。
加入している人が死亡した場合には、死因が三大疾病でない場合にも死亡保険金が支払われます。 この保険の特徴を整理すると、
・三大疾病による死亡が多いから、三大疾病への死亡に備える
・三大疾病に罹患したときの医療費に備える ということがこの保険の二大目的でしょう。

三大疾病保険の契約形態には次のようなものがあります。
①主契約として契約する方法:三大疾病保険
②終身保険や医療保険などに特約として付帯する方法:三大疾病(特定疾病)保障特約
③団体信用生命保険に特約として付帯する方法:疾病保障特約

|三大疾病保険で受け取れる保険金
三大疾病保険で受け取れる保険金は次の通りで、まとまった一時金として受け取るほか、年金形式で受け取れる商品もあります。

▶特定疾病保険金
▶死亡保険金
▶高度障害保険金

これらの保険金が受けられるのはいずれか1つを1回限りとなっており、いずれかの保険金を受け取った時点で契約は消滅します。
ですから、三大疾病に罹患して特定疾病保険金を受け取ってしまうと、死亡保障はなくなってしまいますので注意が必要です。
特定疾病保険金を受け取ることなく死亡または高度障害状態になった場合、特定疾病保険金と同額の死亡保険金・高度障害保険金を受け取れます
また、契約の中途解約時には解約返戻金があるのが一般的ですが、保障開始から短期間で解約した場合、解約返戻金はほとんどありません。
なお、三大疾病保険には満期保険金もありません。

|三大疾病保険の保険期間
三大疾病保険の保険期間は次の通りです。
①一生涯の保障が得られる終身タイプ
②一定期間の保障である定期タイプ
→70歳など決まった年齢を満期にする歳満了タイプ
→10年間、20年間といった年数を満期に定める年満了タイプ

三大疾病保険の保険料の払込方法は、月払い・半年払い・年払い・一時払いがあり、保険料払込期間は次の2種類があります。
①有期払込タイプ:60歳までなど、期間を決めて保険料を払い込みます。
②終身払込タイプ:保険料を一生涯払い込みます。

三大疾病保険に加入する際の注意点

三大疾病保険に加入する際の注意点は、必要な保障内容をしっかりと準備する一方、無駄な保障を省いて保険料を抑えることです。
具体的には次の通りです。

▶保険金の支給事由を確認する
どんな病気や状況に対して保険加入するのかを明確にして、支給事由を確認しましょう。主なチェックポイントは次の通りです。
・死亡・高度障害状態の保障の有無
・がんの免責期間の有無や日数
・上皮内新生物の保障の有無や内容

▶保障期間は終身タイプか定期タイプか
終身タイプの保険の方が老後の保障については安心です。
ただし、保険料は高くなるため、より大きな保障が必要な時期に定期タイプで加入するという方法もあります。

▶保険金額は抑えめに
最近の医療保険は、三大疾病に対して手厚い保障が準備されています。
先進医療特約を付加すれば安い保険料で保険適用外の所定の治療にも対応できます。
また、特約として三大疾病保障を付加すれば単体で加入するより保険金額(結果として保険料)を抑えることができる場合があります。

|国民健康保険・会社の健康保険を利用すれば必要以上に心配する必要はない
今は保険会社が提供している商品も様々で、基本保障に三大疾病が含まれている医療保険も多くありますし、逆に特約として付加するか選択できる医療保険もあります。
以上の入院日数の実態を見てみると、今から医療保険に加入されるのであれば、基本保障に三大疾病が含まれているものに加入する必要性はさほど感じられず、わざわざ三大疾病保障を特約として付加する必要性もないと思われます。
当然ながら、保障の範囲が増えれば増えるほど保険料は上がり、それだけ毎月の保険料は高くなるわけですからね。いざ三大疾病になった場合でも国民健康保険や会社の健康保険に加入していれば高額療養費制度が使えます。

まとめ

三大疾病は病気のなかでも重度が高いものではありますが、そう考えると、三大疾病保障にわざわざ加入する必要性はないと言ってもよいでしょう。
どうしても加入しておきたい場合は、割戻金があって結果的に保険料が割安な都道府県民共済で十分でしょう。ガンが心配な方は今は通院治療の方が主流となっているため、ガン保険単品で用意しておく方法もあります。
よろしければ今回お伝えした情報のことを参考にしていただいて、あなたにとってベストな備えを準備いただければと思います。保険会社の言いなりにならず、しっかり相談しながら契約するようにしてください。