共済保険で三大疾病に備えられるのか?

がん(悪性新生物)・心疾患・脳卒中の3つの病気を総称して「三大疾病」と言います。「三大疾病」は、日本において罹患率の非常に高い病気です。それゆえに保険商品もありますが、安いものは多くありません。三大疾病の備えとして、保険の種類がたくさんあり悩んでしまう方が多いと思いますが、ここでおすすめするのが「共済」での三大疾病への備えです。共済と言えば、月々の掛け金がお手頃で加入しやすい利点がありますが、一言で共済と言っても様々なコースやプランがあります。ここでは、三大疾病を備えるための共済保険について紹介していきます。
そもそも共済って何?
共済とは、協同救済(互いに助け合う、お金を出しあって必要な人を助ける)を制度化したものになります。将来我々の生活を脅かす可能性のある様々なリスクに備えて、組合員があらかじめ一定の「共済掛金」を拠出して協同の財産を準備しておき、万が一組合員にリスクが発生してしまった際に、そこから共済金を支払う仕組みになります。つまり、組合員一丸となり、他の組合員が困っている時に助ける、というシステムです。
共済には、4大共済と呼ばれるものがあります。それは「都道府県民共済」、「こくみん共済(全労済)」、「コープ共済」そして「JA共済」の4つの共済があります。
4大共済の三大疾病の保障内容は?
4大共済の中の、「三大疾病」への備えが出来るコースを紹介していきます。
【都道府県民共済】
県民共済の三大疾病への備えは、主制度ではなく「特約」として付帯します。
三大疾病特約が付けられる主制度は、掛け金が1500円~4000円のものから選べます。
三大疾病特約の掛け金は月々1100円で、満18歳から満74歳まで申し込むことができ、75歳が終期となります。こちらの掛け金は年齢による変動はありません。
▶三大疾病で入院した時
・主契約1500円コースの場合
日額8500円~2750円(年齢層による。高齢層の方が金額が低い。)
・主契約4000円コースの場合
日額22000円~7500円(年齢層による。高齢層の方が金額が低い。)
▶三大疾病で手術した時
・主契約1500円コースの場合
1回30万円~2.25万円(年齢層による。高齢の方が金額層が低い。)
・主契約4000円コースの場合
1回30万円~2.5万円(年齢層による。高齢の方が金額層が低い。)
▶がん診断一時金
・主契約1500円・4000円コース
1回50万円~10万円(年齢層による。高齢層の方が金額が低い。)
主制度のコースによって入院給付金は大きく差があるものの、手術やがんに対する給付金はあまり差がない事がわかります。
【こくみん共済(全労済)】
こくみん共済の三大疾病の備えとして、終身医療プランの三大疾病タイプと、特約の2つがあります。
◎三大疾病タイプの場合
満15歳~満80歳まで加入ができ、期間は終身になります。掛け金は年齢や払い込み期間、そして希望入院日額によって変わります。
例:入院日額5000円の場合
▶三大疾病入院共済金
日額5000円
▶三大疾病手術共済金
10万円
▶心筋梗塞・脳卒中・ガン診断共済金
50万円
※2年に1回を限度としますが、無制限で受け取れます。
◎基本保障+三大疾病特約
全体的な保障内容は基本保障によりますが、三大疾病特約で得られる給付金は以下のようなものが挙げられます。
▶入院した時
+日額5000円
▶手術を受けた時
+外来15万円/入院中20万円
【コープ共済】
コープ共済の三大疾病の備えとして、「スタンダードプラン」と「シンプルプラン」の2つから選べます。スタンダードプランは50・100・200・300万円の4コースがあり、シンプルプランは100・200万円の2コースがあります。掛け金はコースや年齢により異なります。
◎スタンダードプラン/100万円コースの場合
▶三大疾病診断保険金
100万円
※三大疾病を発病し、所定の状態に該当した場合
▶三大疾病入院保険金
日額3000円
▶三大疾病手術保険金
・入院中:入院保険金日額の20倍
・入院中以外:入院保険金日額の5倍
▶三大疾病通院保険金
日額3000円
コースにより三大疾病診断保険金は違いますが(=三大疾病手術保険金も変動あり)、その他に違いはありません。
【JA共済】
JA共済での三大疾病への備えとして、「三大疾病重点保障特則」というものがあります。
これは、基本保障に加えて、万が一の三大疾病による入院または手術・放射線治療を受けた際に、入院共済金・手術共済金・放射線治療共済金の額が2倍になる特則になります。更に、入院の場合の支払入院限度日数が無制限になります。
この特則を利用する場合は、基本保障加入の際に「三大疾病重点保障特則:あり」を選択しなければなりません。
三大疾病の医療費はどれくらい?
三大疾病はいずれも死因につながりやすい病気ですし、長期に渡りやすいため医療費も高くなってしまう傾向があります。
がんの医療費として、胃がん、気管支および肺がん、乳がんの1入院あたりの自己負担額はだいたい25万円前後と言われています。 急性心筋梗塞は約64万円、脳卒中にあたる脳梗塞、脳出血はそれぞれ約41万円、約58万円程度と言われています。
ただ、このような高額な医療費を支払った場合は高額療養費を利用できるので、最終的な負担額としては、1ヵ月10万円程度で済むことにはなると考えられますが、やはりそれなりの医療費がかかってくることは確かです。
また、差額ベッドを利用したい人であれば、その分の費用などが別途かかってきますし、さらに再発や合併症が起こったり、退院後のリハビリがあるとそれらの費用もかかってきます。そのためにも三大疾病についての備えを用意しておきたいところです。
まとめ
一概に共済保険と言っても様々なコースがあります。共済保険は掛け金がお手頃で、気軽に加入できる事が魅力と言えるでしょう。三大疾病の備えが気になっていても保険の契約に少し躊躇している方は、共済を選択肢の1つとしておすすめします。
掛け金の安さを重視するのか、入院給付金の額を重視するのか、はたまた通院に対する給付金があるものを選ぶのか、ご自身の年齢や病気の特徴(がん・心筋梗塞は通院率が高く、脳卒中は入院日数が長い傾向にある)をよく考えて選択してくださ