全国共済お役立ちコラム

住宅ローン返済中のときにガンなどの三大疾病になってしまった際、どうする?

人生で一番の高い買い物「マイホーム」。多くの方が住宅ローンを組んで購入されることでしょう。
多くの場合、何十年も年月を重ねてローンを少しずつ返済していくことになるため、途中で病気や事故に遭遇して死亡したり、高度障害で働けなくなったりと、返済が滞ってしまう可能性もあります。
今回はそんな住宅ローン返済中に、「もしも三大疾病になってしまったら?」という経済的リスクに備える三大疾病保障付きの住宅ローンについて考えてみましょう。

住宅ローンの三大疾病保険保障とは?

一部のローンを除き、住宅ローンには「団体信用生命保険」の強制加入がありますが、オプションとして三大疾病保障を申し込める仕組みが多くあります。
通常の団体信用生命保険では、住宅ローン返済中に契約者が亡くなった時だけに保険金がおり、その後の支払いは必要なくなります。しかし、死亡時が対象のため、三大疾病にかかった際は保険金がおりません。
通常の団体信用生命保険の保険料は銀行が支払ってくれるため、契約者は支払う必要がありませんが、適用範囲が広くなる三大疾病保障付の住宅ローンの場合は、追加保険料が発生します。

三大疾病保障付住宅ローンの保険料は、生命保険のように毎月決まった金額を支払うのではなく、多くの場合、住宅ローン金利に上乗せされます。追加される金利は銀行によって異なり、低い銀行で0.1%の追加、通常は0.2%の追加が多く、0.3%の追加になると七大疾病に対応しています。
「0.1%くらいなら安いかも」と思う人も多いかもしれません。しかし、長期間返済の住宅ローンではかなりの負担になります。35年間で返済するなら、150~200万円程度の多く支払うことになります。つまり150~200万円払って三大疾病の保障をすることになるのです。
支払い額と自分の将来計画を比較検討して、三大疾病保障付住宅ローンを組むようにしましょう。

支払いの要件はどうなっているの?

いずれの傷病においても、発症するだけでいきなりローン残高が0円になるわけではありません。それぞれ細かい支払い要件がありますので注意が必要。次は代表的な傷病ごとの支払い条件を確認してみましょう。

  • 「がん」は医師から「いままでに初めてがんを患った」との診断が確定された場合に、保障の対象となります。また、上皮内がんや皮膚がんは保障の対象外になるのが一般的です。
  • 「急性心筋梗塞」は融資の実行日以降に発病し、初めて医師の診断を受けた日から60日以上労働の制限を必要とする状態が継続したと医師に診断された場合に、保障の対象となります。60日以上労働の制限をする状態が継続しないと診断されれば保障の対象外となりますので、注意が必要です。
  • 「脳卒中」は、融資実行日以降に発病し、その疾病により初めて医師の診断を受けた日から60日以上、言語障害、運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師に診断された時に、保険の対象となります。

三大疾病保障付き住宅ローンは実際に必要?

疾病保障付き住宅ローンと一般的な医療保険やがん保険などでは、加入の目的が異なります。前者は月々の返済額を保障することで返済が滞るのを回避しますが、ローン残高を0円にすることで大病を患ってもマイホームを守る目的があります。後者は、がんなどの大病を患ったとき、治療費や生活費を確保するものです。

疾病保障付き住宅ローンは住宅ローンに付随する商品なので、保険期間は基本的に住宅ローン返済期間と同じで、終身期間ではありません。住宅ローンと切り離して考えることができないなど、いろいろな制約があるのも事実。また、住宅ローンを借りない人にはそもそも縁のない商品であり、比較する以前に選択の余地はありません。

どんな保障が自分に適しているかは、それぞれの疾病がどのくらいの確率で罹患するものなのかを押さえておくことで判断できます。
たとえば、一生のうちでがんと診断される確率は、男性の場合58%、女性の場合43%と言われています。また、がんに心疾患・脳血管疾患を加えた、いわゆる三大疾病の罹患は、約6割以上とのこと。三大疾病を患ってしまうと就労不能になることが多く、家計にダメージが重くのしかかるため、疾病保障付き住宅ローンを選ぶ方も増えています。
死亡時に保障してくれる団体信用生命保険だけでなく、病気による就業不能状態になった時のこともしっかり考え、疾病保障付き住宅ローンを選択することが大きな安心につながることでしょう。
そのため、疾病保障付き住宅ローンなら死亡時はもちろんのこと、病気による就業不能時には残された家族が自宅を手放さなくて済むという安心感にもつながるといえるでしょう。

住宅ローン以外の備えも考える

疾病保障付き住宅ローンで保障されるのは住宅ローンだけです。住宅ローンの残高が0円にはなりますが、実際の生活リスクにも目を向ける必要があります。また病気が長期化するおそれもありますので、治療費などを負担してくれる保険も合わせて検討することをおすすめします。
住宅ローンのみの保障でいいのか、治療費や生活費などの保障についても考えるのか。保険料が家計の負担にならないよう注意しながら検討してみましょう。