知らないと損をする!?三大疾病保険の費用と支払い要件について

医療費が高額になる可能性が高い がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞)。
死亡率がおよそ55%にもおよぶとされる三大疾病。こうした三大疾病にかかると、どれくらいの医療費がかかるのでしょうか。
医療費が高額になる可能性が高い
がん(悪性新生物)
急性心筋梗塞
脳卒中(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞)
死亡率がおよそ55%にもおよぶとされる三大疾病。こうした三大疾病にかかると、どれくらいの医療費がかかるのでしょうか。
厚生労働省『患者調査(平成26年)』によると、がん・心疾患(高血圧性のものを除く)・脳血管疾患における平均在院日数はそれぞれ20日・20日・90日にもおよびます。
また、同データの調査日における入院と外来の患者数を比べると、入院はそれぞれ13万人・6万人・16万人に対し、外来は17万人・13万人・9万人と、いずれも入院だけで治療が終わるわけではないことが見てとれます。
がん政策情報センターによる『がん患者意識調査』が行った、がんになった1,600人に実際にかかった治療費のアンケートをした結果、がんになると平均100万円程度の治療費がかかるというデータも出ています。
三大疾病保険(三大疾病保障保険や特定疾病保険ともいう)では、三大疾病の所定の状態になり支払い条件を満たした場合に、一時金の三大疾病保険金が受け取れます。
さらに、死亡または高度障害状態になった場合にも、死亡保険金または高度障害保険金が受け取れます。保険料によって異なりますが、いずれにしても保険金の支払いは、1回限りとなっています。
三大疾病の入院費用について
生命保険文化センターの調査によると、入院時の治療費(窓口負担額)・食事代・差額ベッド代に加え、交通費や衣類、日用品費などを含む自己負担額は、平均すると1日あたり2万1000円。
単純計算すると2万1000円×93.0日=195万3000円。入院が長期化すれば1日あたりの金額は減ることが予想されるため、実際はここまでの金額がかかることはないかもしれません。それでも長期入院の費用を考えると、高額になってしまうケースが多いといえるでしょう。
三大疾病保険とがん保険はどう使い分けるべきか
では、三大疾病保険とがん保険はどう使い分けるべきでしょうか。
がん保障だけが必要であれば、保険料の割安さや再発リスクへの対応、治療が長期化した場合の保障などの面で、がん保険のほうが優れているといえます。
三大疾病保険の強みは死亡保険であり、解約返戻金が発生する可能性があるところです。ですので、死亡保障や資金づくりの必要性がある人に適した保険です。ほとんどのがん保険は掛け捨てなので、「保険料も抑えながらがんにも備えたい」という人は検討する価値があるといえるでしょう。
保険料に見合った保険金が受け取れるのか
支払った保険料に見合うだけの保険金が受け取れるのかも、合わせて確認しておく必要があります。
特約に限りませんが、保険には保険金をもらうための条件が厳しいものが多いのも事実。「せっかく特約に入ったのに、条件をクリアできずに保険金が下りなかった」という人もいるので注意が必要です。
給付金が下りるまで時間がかかる
たとえば、脳卒中の場合だと、責任開始日以降の保険期間中に発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日から、その日を含めて60日以上、所定の状態が継続した時に給付金が下りる、というような条件が添えられています。要するに、倒れてから2ヶ月間は1円も給付金が下りないということです。
また、特にこの「所定の状態」という点に注意が必要です。言語障害や運動失調、麻痺などに加え、他覚的な神経学的後遺症がそこまで継続しなければなりません。
つまり、ほとんど寝たきりで、意識の有無もままならない状態のまま2ヶ月間を経過して、ようやく給付対象になるということです。
この症状のまま、それだけ長期間に渡り生命を維持できる人は、そう多くはないはずです。高額の保険料を支払っていても、その恩恵を受けられないまま他界される人は決して珍しくないのです。
支払い要件が厳しい三大疾病保険
三大疾病にかかったら保険金が下りる三大疾病保険ですが、ほとんどの場合、三大疾病と診断されるだけでは保険金が支払われません。保険金が支払われる条件として、ある「特定の状態」になったときに限られます。
保険会社によって異なりますが、たとえばがんの場合「初めて悪性新生物と診断されたとき」に保険金が受け取れます。また、上皮内新生物は原則として対象外です。
急性心筋梗塞・脳卒中は、ともに60日以上の労働制限や障害などの後遺症が残った場合でないと、保険金がもらえません。しかも急性心筋梗塞は「狭心症」、脳卒中では「くも膜下出血・脳内出血・脳梗塞」以外の脳血管疾患は含まれません。
しかし最近では、上皮内新生物であっても保険金額の10%を一時金として受け取れる三大疾病保険が登場したり、医療保険に付加できる三大疾病特約で上皮内新生物が対象になったりするケースもあります。
急性心筋梗塞・脳卒中では「所定の状態が継続」したときだけでなく、「手術」を受けたときにも保険金を受け取れるという商品も増えてきました。しかし、特約を契約しているのに給付金がもらえなかったり、給付金が下りるまで時間がかかったりするケースもあります。
また、給付金額が少ないというデメリットもありますので、保険を検討する際は、支払いの要件も含め、しっかりと比較・検討することをおすすめします。