全国共済お役立ちコラム

三大疾病とは?

2020-11-1

三大疾病(さんだいしっぺい)という言葉は、皆さん1度は耳にした事があるのではないかと思います。その言葉より、3つの大きな病気を指す言葉だとは予測がつくかと思いますが、実際に何の病気が当てはまるのかご存じでしょうか?
病気が大きなものになると「自分は大丈夫だ」と、つい目を背けてしまいがちになりますが、いずれも命を脅かす怖い病気であり、しっかりと理解しておく必要があるのです。
今回はこの3つの病気について解説していきますので、一緒に見ていきましょう!

三大疾病とは?

三大疾病とは、日本人の死因のうち、上位を占める3種類の病気をまとめた呼び名になります。

その3種類の病気とは、

・ガン
・脳卒中(脳血管疾患)
・急性心筋梗塞

です。

厄介な事に、初期の段階では自覚症状がなく、異変に気付いた頃には既に進行して重症になっているケースが多い事が特徴としてあり、それが上位の死因を占める原因の1つとも考えられます。

では次からは、この3種類の病気についてそれぞれどのようなものなのかを見ていきましょう。

ガンとは何か?

私たち人間の体は、細胞からできており、その数なんと数十兆個にも及びます。細胞が正常に働いていると、制御機能により数を増やしたり増やす事をストップさせたりと、一定に保つ調整ができます。
しかしここで何らかの遺伝子異常が起こると、細胞が増殖を繰り返して止まらなくなってしまう事があるのです。そして長い時間をかけて増殖した細胞の集団の中で、生命を脅かすものを「ガン(悪性新生物)」と呼びます
ガンは進行すると近くの組織へ侵入し、血管などを通して離れた臓器まで移動(転移)します。そして、その転移をした先の臓器でまた増殖するのです。
その為、長い時間気付かず放っておいてしまうと、ほとんどの場合は全身に転移してしまい、命の危険にさらされてしまう怖い病気です。

脳卒中とは何か?

脳卒中とは、脳にある血管が詰まったり破れたりすることにより脳に血液が回らなくなり、脳が障害を受ける病気です。脳卒中は大きく3種類に分けられます。

【血管が詰まる】
・脳梗塞
【血管が破れる】
・脳出血
・くも膜下出血

◎脳梗塞【詰まる】
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が悪くなる(または途絶える)事により、脳の神経細胞が壊死してしまう病気です。
脳梗塞には、病態により「脳塞栓症」「脳血栓症」「一過性脳虚血発作」に分けられます。

・脳塞栓症
:心房細動などの心臓病により心臓でできた血栓が、脳の血管に流れ込み詰まってしまう。

・脳血栓症
:脳の太い血管が動脈硬化や血液中コレステロールにより狭くなる事による血行不良で血栓ができ、徐々に詰まる。また、高血圧により脳の細い血管が変性してしまい、詰まる。

・一過性脳虚血発作
:一時的に脳血管が詰まるが、すぐに血流が再開する。ほとんどの場合、2-15分程度の短時間もしくは1時間以内に症状が消失する(24時間以上になると「一過性」ではなくなる)。症状が治まったからと治療を行わず放置すると、脳梗塞になってしまう可能性が高い。

◎脳出血【破れる】
脳出血とは、脳の血管が破れて脳の中で出血を起こしてしまう病気です。その血液が固まりとなり(血腫)脳の神経細胞にダメージを与えてしまったり、血腫が大きくなり頭蓋骨内の脳を圧迫する事により、脳の障害が起きます。
脳出血は、出血を起こした場所により、「被殻出血」「視床出血」「皮質下出血」「小脳出血」「橋出血」に分類されます。

◎くも膜下出血【破れる】
人の頭には、脳を保護する膜が3層になっています(硬膜、くも膜、軟膜)。そして、くも膜と軟膜の間のすきまを「くも膜下腔」と呼びますが、そこに存在する血管が切れて起こる出血を「くも膜下出血」と呼びます。
最も多い原因としては、脳の動脈にできた「脳動脈瘤」というこぶの破裂によるものになります。多くの場合、出血するまで無症状になります。

いずれにしても、一度脳卒中になってしまうと、重い後遺症により社会復帰が困難になる場合があります。

急性心筋梗塞とは何か?

心筋梗塞とは、日本の死因1-2位を占めている病気で、突然死の可能性もあるとても恐ろしい病気になります。
心臓は、血液を体全身に送る「ポンプ」の役割をしています。そして心臓は冠動脈という血管で酸素や栄養を得る事で、止まる事なく働き続けています。その冠動脈が動脈硬化で硬くなり血液が完全に流れなくなり詰まってしまうと、心筋と呼ばれる心臓を動かす筋肉が酸素不足となり壊死してしまいます。その状態を心筋梗塞と呼びます
動脈硬化が起こると、血液中のコレステロールなどが血管の壁にたまり始め、プラークという固まりを作ってしまうのですが、心筋梗塞ではこのプラークの膜が破れることにより血栓ができてしまい、血管の詰まりが起きてしまいます。

まとめ

日本の中で死因上位を占めているだけあり、症状に気付いた時には既に治療の余地がなくなっていることや、突然死になる可能性もあるなど、どの病気も死を連想させるような非常に怖い病気になります。では実際、それぞれどのくらいの罹患率になるのでしょうか。どの疾患も年齢が上がるに従いリスクが高くなる事は皆さん予想がつくかとは思いますが、本当に高齢者に限ったものなのか、それとも若年層でもリスクがあるのでしょうか?次のコラムでは、現状よりそれぞれの病気にかかる確率についてお話していこうと思いま