全国共済お役立ちコラム

三大疾病にかかる費用は?保険の保障条件とは?

2020-11-6

さて、これまで三大疾病に関わる様々な事について詳しく見てきましたので、どのような病気か、などはご理解できたかと思います。しかし、そこで大きな不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
―もし発症してしまった場合、どのくらいお金がかかるのか?―
怖い病気だけに、大きな出費になってしまう気がしますよね。
今回は、お金のお話を中心に、三大疾病になってしまった場合の入院日数や治療費、そして保険について解説していきたいと思います。

三大疾病の入院日数・通院日数は?

万が一三大疾病に罹患してしまった場合の入院・通院日数について見ていきましょう。

◎入院日数
三大疾病全体の入院日数は、約1カ月間の31.9日となっています。
年齢別で見てみると、

0~14歳:8.9日
15~34歳:14日
35~64歳:27.3日
65歳以上:44.8日

となっており、高齢になるに従い長くなる傾向にある事がわかります。

では、それぞれの病気に分けて見てみるとどうでしょう。
なんと、

ガン:19.9日
心疾患:20.3日
脳卒中:89.5日

と、ガン・心疾患と比べて、脳卒中の入院日数が群を抜いて長くなっているという事がわかりますね。
しかし、年齢ごとに脳卒中の在院日数を見てみると、全ての年齢層で入院日数が長いわけではない事がわかります。若年層(0~64歳)では60日以内となっていますが、65歳を過ぎたあたりからは顕著に長くなる傾向があるのです

◎通院日数
では、それぞれの病気の通院日数を見てみましょう。
厚生労働省の平成26年の患者調査によると、

ガン:患者数30万800人、うち通院患者数17万1,400人
心疾患:患者数19万3,900人、うち通院患者数13万3,900人
脳卒中:患者数25万3,400人、うち通院患者数9万4,000人

となっており、上記数字から見たおおよその通院率は、

ガン:57.0%
心疾患:69.1%

脳卒中:37.0%

という事がわかります。
入院日数と通院日数をそれぞれ見てみると、ガンや心疾患は入院日数が短い傾向があり高い確率で通院による治療を行っていて、脳卒中は他2つに比べては通院治療の割合が低くなっています

気になる治療費は?

平成26年の「国民医療費」「患者数」から、それぞれの病気の1人あたりの治療費を算出してみましょう。

ガン:国民医療費3兆9630億円、総患者数162万6000人
心疾患:国民医療費1兆8200億円、総患者数172万9000人
脳卒中:国民医療費1兆7820億円、総患者数117万9000人

となっております為、あくまで平均にはなりますが、1人当たりの医療費が、

ガン:年間約240万円、月間約20万円
心疾患:年間約105万円、月間約9万円
脳卒中:年間約150万、月間約12.5万円

と推測できます。

◎高額療養費制度の利用
高額な医療費は、全て自己負担ではありません。覚えておきたいのが「高額療養費制度」です。
この制度では、1カ月で支払う医療費が上限額を超えてしまった場合に、その超えた分が支給されます
上限額は年齢や収入に応じて決まっていますが、一般的に、年収が約370万~770万円の場合は、自己負担金は8~8.5万円程になります。
ここで注意が必要な事は、この制度の対象となるのは、健康保険が適用される医療費のみで、自由診療やその他諸費用などは対象にならないのです。

三大疾病の保険とは

さて、高額療養費制度の利用で自己負担金は抑えられますが、それでも月8万円の出費と諸費用を考えると家計に負担がかかりますね。そんな時に役に立つのが「三大疾病保険」です。
三大疾病保険とは、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中と診断され、所定の条件に該当した場合に一時金を受け取れる保険です。
三大疾病保険で受け取れる保険金の金額は、50~300万円などあらかじめ固定されている定額の場合もあれば、保険会社が設定している範囲内で自由に決める事ができる場合もあります。

一般的に一時金支給条件とは以下のようなものになります。

【ガン】
・初めてガンと診断確定された時のみ対象で、責任開始前と責任開始期から90日以内にガンと診断された場合は対象外。
・上皮内ガン(初期のガン)は除く。

【心疾患】
・急性心筋梗塞になり初めて医師の診療を受けた日から60日以上「労働の制限を必要とする状態」が継続したと医師が診断した時。

【脳卒中】
・脳出血、くも膜下出血、脳梗塞を発病し、初めて医師の診療を受けた日から60日以上、歩行障害や麻痺、また言語障害などの後遺症が継続したと医師が診断した時

◎三大疾病保険の注意点!
三大疾病に罹患した際に役に立つ三大疾病保険ですが、隅々まで保障内容を確認しておく必要があります。加入前は以下のような点に注意が必要です。

・三大疾病それぞれで受け取れるのかチェック
商品によって支払い条件に細かい違いがあり、「いずれかの一時金で2年1回」と「それぞれ2年1回」など決められているものがあります。
「それぞれ」の場合、2年以内に連続してガン・心筋梗塞・脳卒中に罹患した場合でも一時金は3回受け取れることになります。しかし、「いずれか」の場合は2年以内に3つの疾病のうちいずれか1つに罹患してしまうと、その後2年間は他1つまたは2つに罹患してしまっても一時金が受け取れない為、注意が必要です。

・支払回数に制限があるかチェック
基本的には「無制限」としている商品が多いですが、「通算で5回まで」と決めているものもあります。ガンなどは転移・再発の可能性が高い為、回数無制限を選んでおいた方が安心と言えるでしょう。

・保障金支払い条件をチェック
特に注意が必要なのが、心疾患になります。「急性心筋梗塞のみ対象」の場合、狭心症は対象外となります。しかし「心疾患対象」の場合は、心筋梗塞・狭心症どちらも対象になりますので、違いをしっかりと覚えておきましょう。

まとめ

三大疾病にかかってしまった場合に利用したい高額療養費制度。しかしそれでも家計に負担になる場合が多く、そんな時に三大疾病保険が役に立ちます。加入を検討する場合は、その保障内容や条件を細かくチェックしましょう。