病気が発生してからでは遅い!三大疾病保険と治療費について

三大疾病の治療費と入院期間はどのくらい?
病気の中でも入院日数が長引き、治療費負担が大きくなりがちなのが三大疾病と呼ばれるガン・脳卒中・急性心疾患。では、三大疾病にかかった場合どのくらい費用がかかるのでしょうか。それぞれの治療費と入院期間、保険金が支払われる条件も合わせて見ていきましょう。
1.がん(悪性新生物)
全日本病院協会の調査では、胃がんの平均入院期間は28.5日。医療費総額は約121万円とのことです。このうち3割を自己負担し、あとから高額療養費の払い戻しを受けるようになります。また、1日につき差額のベッド代と入院時の食費780円が自己負担となります。
結腸がんの平均入院期間は29.2日で、医療費総額は約118万円。肺がんの平均在院日数は35日、医療費総額は約110万円とのことです。
保険金が支払われる条件は、初めて悪性新生物(がん)と診断確定されたときに限るのが一般的。ただし、上皮内がん(大腸の粘膜がんを含む)、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんはのぞきます。また、保険会社が契約上の責任(保険金・給付金の支払いなど)を開始する時期である責任開始日から90日以内に罹患した乳がんも対象外となります。
2.脳卒中
厚生労働省による『社会医療診療行為別調査』のデータによると、脳血管疾患の平均在院日数は102.1日で、1日当たりの入院費用は約2万円となっています。また、在院期間での総額は約200万円にものぼります。
脳卒中は、脳こうそく・脳出血・くも膜下出血などで脳に障害を与える病気。急激に症状が現れるケースが多いのが特徴です。そのため、たとえ一命をとりとめたとしても、言語障害・意識障害・からだのマヒなどの後遺症が残ることの多い病気でもあります。救命救急処置が必要な緊急性を伴い、危険な部位への手術が必要で、リハビリも長くなる可能性があります。
脳卒中を発病し、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害・運動失調・麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師から診断されることが、一般的に保険金が支払われる条件です。
3.急性心疾患
急性心疾患は、狭心症・心筋梗塞など血管や心臓の病気で、高度な技術を必要とする手術を行わなければならないこともあります。厚生労働省『社会医療診療行為別調査』のデータによると、平均在院日数は20.4日で、1日当たりの入院費用は約4.3万円。在院期間の治療費総額は約86万円になります。
急性心筋梗塞を発病し、初めて医師の診察を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されることが、一般的に保険金が支払われる条件です。
がんの治療費、自己負担額はどのくらいかかるの?
がんを患ってしまうと、入院や治療に係るさまざまな費用が発生します。主要ながんの平均入院日数と、治療費自己負担額を見ていきましょう。
- 胃がん 18.8日 29万2,518円
- 直腸がん 18.7日 33万6,489円
- 結腸がん 15.4日 24万8,457円
- 肺がん 14.1日 22万7,571円
- 乳がん 12.9日 22万9,449円
上記データは高額療養費制度を利用した後の「自己負担額」の平均です。
がんの治療費に対する自己負担は20~30万円程度で済むものの、治療費以外で自己負担となる出費(食費・通院のタクシー代・差額ベッド代)、健康保険適用外の治療費など、がんになるとさまざまな費用がかかることが分かります。
治療費の保障はどんなものがあるの?
医療保険として、三大疾病の保障を手厚くしている保険があります。
医療保険に標準でついている場合と、特約として付加できる場合がありますが、三大疾病治療のための保障としては、以下のような保障があります。
1.入院給付金の保障拡大
医療保険の入院給付金には、1回の入院につき支払限度日数や通算の支払限度日数が決まっていますが、三大疾病の場合にはこれらの制限がありません。そのため無制限で入院給付金を受け取ることができます。
2.三大疾病一時金
三大疾病になったときに、50万円・100万円など、まとまったお金を受け取ることができます。がんの場合、初回は確定診断で、2回目以降は治療のための入院で受け取ることが可能。急性心筋梗塞、脳卒中の場合、治療のための入院ということで受け取ることができます。
保険料免除特約をつけられる保険ってあるの?
死亡したとき、所定の高度障害状態になったときに加えて、三大疾病で所定の条件に該当したときに保険金が受け取れます。また、三大疾病の保障を手厚くできるタイプの医療保険の一部には、急性心筋梗塞や脳卒中の保険料払込免除の条件が「治療のために入院した時」と定められているものもあるため、しっかりと確認することをおすすめします。
三大疾病で保険料の支払いが免除されるのはメリットではあります。しかし、保険料の支払いを終身払いではなく、60歳までの短期払いなどにしている場合は注意が必要。保険料の払い込みが終了した後に三大疾病になっても、保険料払込免除の効果がないので、この特約をつけるかどうかは検討が必要です。
また、若くして三大疾病にかかるケースもありますが、高齢になってから患う確率のほうがはるかに高いという事実を考慮し、判断することが大切です。
治療費に備えるための保険とは?
三大疾病保障保険はまとまった一時金が入ってくるのはメリットなのですが、がん以外の急性心筋梗塞、脳卒中の支払い条件が厳しいというデメリットがあります。
三大疾病の治療費に備えるための保険として考えるのであれば、商品は少ないかもしれませんが、急性心筋梗塞や脳卒中で入院したときに一時金がもらえるタイプの医療保険もあわせて検討することをおすすめします。