全国共済お役立ちコラム

賃貸住宅に住むなら火災共済への加入は必要?借家人賠償責任特約とは

借家人賠償責任特約という保険をご存知でしょうか? 賃貸住宅に住んだことがある人なら、火災保険に付帯して加入したという経験を持つ人もいるかもしれません。万が一の備えは、マイホームだけに限って必要というわけではありません。賃貸住宅に住んでいる人にとっても、不測の事態への備えは欠かせません。今回は、賃貸住宅に住んでいる人にとって、万が一の備えになる特約「借家人賠償責任特約」について見ていきましょう。

借家人賠償責任特約とは?

借家人賠償責任特約とは、火災や漏水などの備えとなる賃貸住宅向けの保障。特約の名称は共済や保険会社によって異なる場合もあります。

賃貸物件の入居者が借りている部屋に損害を与えてしまったときに、原状回復するための費用を補償してくれます。家主のために加入する保険といっても過言ではありません。

近ごろでは、借主が原因となる損害の保障として、貸主から火災共済や火災保険にプラスして借家人賠償責任特約の付加を求めるケースも増えているようです。

借家人賠償責任特約の必要性とは?

そもそも、借家人賠償責任特約はなぜ必要なのでしょうか。それは、法律上の賠償責任が関係しています。

火災などの事故によって賃貸している部屋に損害が発生してしまう可能性は決して珍しいケースではありません。そうなった場合、借主は家主に対して原状回復して損害賠償をしなければなりません。これは、民法415条の債務不履行責任として定められています。

要するに、借主は賃貸借契約に基づき、契約期間満了後には家主に借りていた物件を元通りにして返す必要があるのです。もしも自らの過失で火災を起こしてしまい元通りにして返せないとなると、債務不履行責任が発生することになります。そういった不測の事態に対する備えが、借家人賠償責任特約なのです。

借家人賠償責任特約に加入すると安心な理由とは?

借家人賠償責任特約は、加入が義務づけられているものではありません。ただ、家主側からすると、万が一のときに責任を取ってもらえないのは心配です。一方、借主側も個人ですべて損害賠償しなければならないのは不安です。そのため、賃貸借契約と合わせて借家人賠償責任特約に加入しておくと安心につながります。

また、特約には火災だけを対象としたものだけでなく、幅広い保障内容のものがあります。全国共済の借家人賠償責任特約なら漏水なども対象になっているため、さらに安心の保障を受けることができます。

加入条件について

全国共済の借家人賠償責任特約を例に、加入条件について見てみましょう。

この特約は、「新型火災共済」に付加する形で加入することができますが、次の3つの条件をすべて満たしている必要があります。

1つ目の条件は、一戸建てを含む借用住宅に住んでいて「新型火災共済」の「家財」に加入していること。

2つ目の条件は、加入者または加入者と生計を同一にする親族が、借用住宅の貸主との間で賃貸借契約または使用貸借契約を締結していること。

3つ目の条件は、借用住宅の所有者が第三者(ご加入者と同一生計の親族を含まない)であること。

借家人賠償責任特約への加入を検討している人は、これらの条件を満たしているかどうかチェックしてみましょう。

保障額と掛け金について

全国共済の借家人賠償責任特約には、500万円コースと1,000万円コースが用意されています。ひとつの目安として、500万円コースでは借用住宅の面積が30平方メートル未満、1,000万円コースでは借用住宅の面積が30平方メートル以上とされています。

500万円コースの場合、掛け金は月額90円から月額180円。1,000万円コースの場合、月額180円から360円。それぞれ、鉄筋コンクリート造と木造などの違いで掛け金が異なります。それほど負担にならない金額設定といえるでしょう。

掛け金の払込方法(月払・年払)や掛け金振替口座は、「新型火災共済」の「家財」と同一。また、借家人賠償責任特約のみでは申し込むことができないので注意しましょう。

共済金が支払われないケースも知っておきましょう

基本的に共済金は保障内容に即し、「新型火災共済」の「借家修復費用見舞共済金」などが支払われる場合に、その支払限度額を超える額について、借家人賠償責任特約共済金が支払われます。

ただし、故意や指図による場合、改築や増築の工事などによる場合など、支払いの対象にならないケースも定められています。どういったケースで共済金が支払われないのか事前に確認しておきましょう。

また、別に火災などを事故とする他の保険や共済に加入している場合は、それぞれの契約から支払われる保険金などの合計額が損害額となるよう調整されることもありますので注意しましょう。

家主にとっても借主にとっても安心の特約

借家人賠償責任特約は月額の負担は小さいものの、家主にとっても借主にとっても、大きな安心につながる備えです。全国共済が提供している新型火災共済の特約・借家人賠償責任特約なら、火災や漏水など万が一のアクシデントに備えられます。賃貸住宅だからと備えを怠るのではなく、貸す側も借りる側も安心につながる保障を考えたいところですね。